外国人を受け入れている企業様の先進事例

素直に努力を続ける、手放したくない優秀な人材たちです

画像:代表取締役 内山 巧 氏

株式会社ダイヤテック 代表取締役 内山 巧 氏

東京都にある株式会社ダイヤテックでは、2017年から受入れを開始し、現在も多くのインドネシア人を雇用しています。今回は、同社代表の内山さんとインドネシア人のワフィーさんの声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:東京都江戸川区東葛西4丁目18番6号
事業内容:鉄筋工事業 など

外国人 5 名 /従業員数 21 名 内)特定技能 1名 / 技能実習生 4名(すべてインドネシア人)
画像:株式会社ダイヤテック
  • 求人採用をあきらめ受入れをスタート
  • ルールを押し付けず声を聞くことも必要
  • 心配事や悩み事を話せる存在でありたい
現場ではひときわ真剣なワフィーさん
受入れを決めた理由は?
10年ほど前までは一般求人・高校求人を継続していたのですが、雇用してもなかなか定着しないことや、そもそも応募自体が減少するといった状況で、求人採用をあきらめてしまいました。その代わりとして、2017年に仕事仲間の勧めで外国人を受け入れたのがスタートです。
受け入れて良かった点は?
予想以上のスピードで戦力になってくれたことです。最初は言葉の違いに不安はありましたが、逆を言えば問題はそれだけ。それに、鉄筋は基本的に体力仕事なので、一度流れをつかんでしまえばそれほど指示は難しくありません。実際に、今も問題なく働いてくれています。
今後の展開を教えてください。
最終的には特定技能2号になってもらい、現場を任せたいと思っています。たしかに、彼らが日本で働き生活していくためには、言語や文化、宗教の違いといった決して低くない壁はあります。でも、単に日本の文化やルールを押し付けるのではなく、彼らの希望を聞いてあげることも必要です。嫌なことは嫌と主張する大切さを、彼らにはいつも言って聞かせています。
初期導入
・寮の確保
・生活家電
・生活用品
・自転車
・Wi-Fi環境
・生活指導員、通訳、講師の採用
など
給与体系イメージ
・ 特定技能(月額基本給)約23.7万円
・ 2022年からの技能実習(月額基本給)約18.3万円
・ 他の技能実習(日給月給制)約19.8万円

重要な戦力として上司からの信頼も厚い
先輩として後輩たちの指導も担当

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、同社に在籍する特定技能1号のワフィーさんにお話を伺いました。

画像:現場で働くみなさんの声
画像:ワフィーさん
いつかバイクの部品の販売店を開いて、家を建てるのが夢なんです!

ワフィーさん

現場では配筋作業を担当しているワフィーさん。家族への仕送りのほかに、いつか好きなバイクの部品を販売するお店を開いて、家を建てるといった夢を持って19歳のときに来日しました。日本での生活に多少の不安はあったものの、意外とすぐに順応できたとか。しかし、トイレだけは違ったようです。「日本ではトイレットペーパーを使いますよね。でも、インドネシアは紙を使わず、水で洗うんです。なので、トイレの使い方に慣れるのは時間がかかりました。でも、シャワートイレは便利ですね」。そんな異国での生活を少しでも楽しんでもらおうと、内山社長が連れて行ったのがクラブです。受け入れたインドネシア人全員が若者だったこともあり、ダンスや音楽を楽しめる場所として足を運んだそうです。「踊るのが大好きなんです。忘れられない思い出になっています」。今では日本での生活にも慣れ、休日にはサイクリングを楽しんでいます。「温泉に行ったこともあります。開放感があって最高ですが、全裸はまだちょっと恥ずかしくて。海パンを履いて入りました」。まだ若く、充実した日々を過ごしながら、夢を叶えるために日々がんばっています。

受入企業の取組み

取締役部長
小林 光夫 氏

現場というのは、転んだだけでも怪我するような危険と隣り合わせの場所です。言葉がうまく通じないなかで、いかに危ない場所や作業を理解してもらうか。また、こちらが危険だと感じたタイミングで「危ない」と伝えた時、それをわかってもらえるか。そのコミュニケーションに課題を感じていました。万が一、怪我をしてしまえば、本人がつらいのはもちろん、現場全体に迷惑をかけてしまいます。なので、作業内容や安全管理についての説明は、とにかくしっかり丁寧に行っていました。たとえ彼らが「うんうん」「わかった」と言っても、本当にわかっているのかを何度も確認し、現場でも基本的にはマンツーマンで日本人がついて、一人で作業させないよう徹底していました。ただ、思った以上に成長スピードは早かったですね。個人的に思う彼らの長所である「素直さ」と、彼ら自身の理解しようとする努力のおかげです。鉄筋の仕事は力仕事が中心ですが、彼らは文句一つ言わず、一日中でも運び続ける精神力があります。また、そうした努力の積み重ねを見ているので、今ではもう手放したくない優秀な人材ばかりだと思っています。

距離を縮める工夫

受入れ後、スムーズに仕事を進めるには、彼らにまず現場での雰囲気に慣れてもらう必要がありました。そこで、実際に現場で仕事を教わる日本人の先輩たちの輪に溶け込んでもらうようには気を使っていました。言葉や文化の壁があるので、最初はうまく馴染むか不安でしたが、彼らは素直なので、すぐに先輩たちにかわいがられていましたね。ただ、彼らにも個人的な心配事や悩み事があるはずです。私たち日本人は、同じ日本に家族や友達がいて、何かあれば心の内を話せる人が周りにいる。でも彼らはそうした人が日本にいるのか。それが少し心配です。できれば私たちがそうした存在でありたいですね。

「配筋は大変だけどやりがいある仕事」とワフィーさん

受入れ検討企業へのアドバイス

受け入れたばかりの頃、真夏の気温が高い時期に、暑さで具合が悪くなった人がいました。「大丈夫?」と声をかけたら、「大丈夫です」と答えるんです。でも、どう見ても大丈夫そうには見えない。自分が今どういう状況か、体調をうまく言葉にできなかったのでしょう。そうしたとき、適切に対応できないと取り返しのつかないことになる場合もあります。できればそうした際にうまくコミュニケーションをとれる体制作りは意識してほしいですね。

小林さんや後輩たちと図面を見ての打ち合わせ