外国人を受け入れている企業様の先進事例

不安は見事に裏切られた 彼らは仕事に“本気”なすばらしい人材です

山﨑建設株式会社 管理部長 島村 力 氏

全国を拠点とする山﨑建設株式会社では、2015年から受入れを開始し、現在もフィリピン人とミャンマー人を雇用しています。
今回は、中国九州支店管理部長の島村力さんとフィリピン人3名の声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:東京都中央区日本橋富沢町8番6号
事業内容:建設機械を使用した土木工事
Website: http://www.yamazaki.co.jp

外国人 77 名 /従業員数 819 名 内)特定技能 22名 / 技能実習生 55名(フィリピン人、ミャンマー人)
  • とにかく真面目、ほとんど遅刻や欠勤がない
  • 今後は特定技能が通訳や世話係などを担当
  • 優秀な人材獲得には現地での面接がおすすめ
油圧ショベルを操縦するホーラさん
受入れを決めた理由は?
受入れを開始した2015年当時、私たち中国九州支店は大規模工事の仕事が立て続けに入り、人材が足りない状況でした。
そんな時、受入制度を導入している他社を知っていた社内の人間から「当社も受け入れてみてはどうか?」との声が上がったのがきっかけです。
受け入れて良かった点は?
受入れを決めてからの準備期間が少なく、フィリピン人に対する情報が不足していたこともあって、戦力としてどれほど期待できるか未知数であり不安でした。
しかし、それはよい意味で裏切られましたね。彼らはとにかく真面目で、遅刻や欠勤もしない。すばらしい人材です。
今後の展開を教えてください。
受入れ開始時にはなかった特定技能制度ができたことによって、在留期間が長くなり、今後も大切な戦力として受入人数も増やしていく予定です。そうなると、通訳や世話係、現場への送迎といった役割を担う人間も必要になります。
そこで、これからは外国人自身にそうした仕事を任せられるよう、新たな人材を育てていくといったチャレンジを考えています。
初期導入
・寮の確保(Wi-Fi環境あり)
・エアコンなど生活家電
・自転車支給
給与体系イメージ
・特定技能(基本給)約22万円/月
 ※技能習熟等に応じた昇給あり
・技能実習(基本給)約20万円/月

ブルドーザーで地面をならすサグンさん
笑顔の絶えないネルガスさんは若手社員とも仲良し

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号のサグンさん、ホーラさん、ネルガスさんの3名にお話を伺いました。

母国にいる家族の生活や将来のために、これからも日本でがんばります!

サグンさん

「特定技能になってから、フィリピンにある実家を修理できただけでなく、両親に車まで買うことができました」、そう笑顔で話してくれたサグンさんが今、一番気掛かりなのが11歳と7歳の子どもたちの教育だとか。「私が彼らに残してあげられるものは教育だと思っています。それが彼らの財産になるはず」。家族のために今日も重機に乗りがんばっています。
貧しかった子ども時代、我が子に同じ思いをさせないために来日しました

ホーラさん

「私はすごく貧しい家庭の生まれで、子どもたちに同じような経験をさせたくなくて日本で働く決意をしました」。そんなホーラさんは来日当時、言葉を覚えるのが何より苦労したとか。「漢字を書いて練習したり、テレビやYouTubeを見たりして、とにかく日本語に慣れるようにしました」。趣味は鉛筆画で、休日に自宅でブルドーザーなど重機を描いているそうです。
テクノロジーが進む日本の技術には驚かされました!

ネルガスさん

これまでハワイや北アフリカで働いた経験があるネルガスさん。そのなかでも一番生活しやすいのが日本だったそうです。
「会社のルールがしっかりしていて、生活に必要なものや住まいを用意してくれた国は初めて」。そして驚いたのが、建築技術だったとか。「日本は地震が多いけど、トンネルや建物が壊れません。とてもテクノロジーが進んでいると感じました」。

受入企業の取組み

作業所長
大櫃 潤司 氏

受入れ当初、やってくるフィリピン人の日本語レベルもわからない、生活様式もわからないなかでスタートしたので、最初はとまどいました。ただ、仕事でいえば、私たちの仕事は重機に乗るので、免許を持っている人であれば比較的教えやすいです。何をどうすればいいか、作業内容を重機に乗って実践し、同じようにやってほしいと指示すればわかってもらえます。当社にきているフィリピン人は本当に真面目な人が多くて、遅刻などしたことがありません。何時にどこへ集合、と伝えたら、必ず時間通りにやってきます。サポートが必要なのは、どちらかといえば生活面でした。給料を母国にいる家族へ送る時など、日本語が話せないので、一緒に郵便局へいって本人の代わりに手続きなどもしました。それも最初だけで、彼らはすぐに何でも覚えてしまいます。

距離を縮める工夫

外国人だからと特別視しないで、日本人と変わりなく、同じ職場の仲間として接しています。ですから、工夫というよりは「普通に付き合う」ことがコツかもしれません。
私はよく彼らの宿舎に寝泊まりしているのですが、彼らもクリスマスなどには「一緒に食べよう」と食事に誘ってくれるし、気さくに接してくれますよ。

コミュニケーションも日本語で問題なし

受入れ検討企業へのアドバイス

これまで何十人と受入れをしてきましたが、一度だけ現地で面接を行わずに受け入れた時がありました。一緒に働いてみると、こちらが望む技術を持ち合わせておらず、育成に時間がかかったことがあります。希望する人材を見つけたいのであれば、現場に出ている職長レベルの方が現地でしっかりと面接することをおすすめします。

現場での作業指示も難なく理解できる