外国人を受け入れている企業様の先進事例

企業は「人」がすべて。彼らはなくてはならない我が社の大事な戦力です!

株式会社岩手マイタック 代表取締役社長 橋本 正彥 氏

東北で土木を主軸に展開している株式会社岩手マイタック。毎年約10名のフィリピン人を採用し、その定着率は98%を誇ります。そんな同社代表の橋本社長、そして現場で活躍するフィリピン人3名の声を紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

株式会社岩手マイタック
所在地:岩手県盛岡市北飯岡二丁目4番1号
事業内容:土木事業・ソーラー事業・アグリ事業
Website: https://www.i-mitac.com

外国人 48 名 /従業員数 197 名 内)特定技能 14名 / 技能実習生 22名 / 建設就労 12名 / (すべてフィリピン人)
  • 震災復興がきっかけで受入れをスタート
  • 受入れにより安定した人材確保が可能に
  • 教育センターの設立で教育に注力
ロードローラーでの作業風景
受入れを決めた理由は?
東日本大震災が一つのきっかけになっています。震災では社員や私の実家も被災して、これは他人事ではないと、物資の供給や、仮設トイレや風呂の設置などに奔走したのを覚えています。その後も、被災地で瓦礫の撤去や道路の復旧などを行うなか、ネックとなったのが人材不足です。それを補うために2015年から受入れをスタートしました。
受け入れて良かった点は?
フィリピンはキリスト教徒が多く、週末には礼拝に付き添うなど、多少の文化の違いはあります。ただ、生活に慣れてくると彼ら自身が次の代の面倒を見てくれるようになり、仕事の面でも率先して教育してくれます。企業は「人」がすべて。今では欠かせない大きな戦力ですね。
今後の展開を教えてください
今年4月に当社の事業として、外国人就労者を対象にした教育センター「シエット」を設立しました。まずは自社の訓練施設としてスタートし、今後は、外国人就労者が日本語教育や建設機械に関わる資格を取得できる場として運営していく予定です。今後はこの育成事業を幅広く展開して、よりよい人材を育てることに力を入れていきたいです。
初期導入
・宿舎の確保(従業員宿舎を活用)
・宿舎WiFi環境の整備
・通訳の採用 など
給与体系イメージ
・特定技能(総支給額) ~25万円/月
 賞与(7月と12月、年2回支給)

・外国人建設就労者(総支給額) ~22.6万円/月
 賞与(7月と12月、年2回支給)

・技能実習生(総支給額) ~18万円/月
 賞与(7月と12月、年2回支給)

複数の重機を操れる特定技能外国人は少なくない

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号のイベさん、ルンバウアさん、ディラディアさんの3名にお話を伺いました。

仕事仲間として迎え入れてくれた会社のために技術力を高めたい!

イベさん

フィリピンにいる子どもたちを大学まで行かせたいと、日本でがんばっているイベさん。来日してまず感動したのは、会社の待遇だったそうです。「すべて公平に扱ってくれるだけでなく、日本人と同じように一人の仕事仲間として迎え入れてくれたのが何よりもうれしかった。だからこそ、私も会社の一員として恥ずかしくないように、もっと技術力を高めたいんです」
信頼が力になる! 心の支えは、社長たちの言葉でした

ルンバウアさん

ルンバウアさんが日本に来てまず感じたのが、言葉の壁でした。「意志の疎通がうまくいかず、数カ月は苦労しました」そんななか、支えになったのが社長や上司からの言葉だったそうです。「仕事が終わると『よくがんばったね、ありがとう』と言ってくれます。信頼を感じるからこそがんばれる。今はもっと重機をうまく使えるようになって会社の力になりたいですね」
日本で複数の重機の資格を取得、さらに腕を磨いて、夢は特定技能2号!

ディラディアさん

フィリピン以外の国で働いた経験を持っているのがディラディアさんです。日本で働いたことによって、自身の技術がさらにアップしたとか。「この会社で働いてから、いろんな重機の資格を取得しました。おかげで複数の重機を使った作業ができるようになり、技術も格段に上がったと実感しています」さらに腕を磨いて、特定技能2号になるのが目標だそうです。

受入企業の取組み

工事部 工事長
吉田 知弘 氏

2015年から毎年約10名の技能実習生や特定技能外国人を受け入れていて、現在は48名のフィリピン人が当社で活躍しています。

彼らは本当に真面目で、愛社精神もあり、よく働いてくれます。また、ハングリー精神も強い。

これは受入れをスタートしてからわかったことなのですが、彼らの多くは建設業で働いた経験があり、資格を有している人も少なくありません。

来日は初めてでも、地元はもちろん、日本以外のロシアやアフリカといった海外で同じように働いていた人が一定数います。なので、そうした方々は当社に入社した時点で豊富な経験を持っているので、即戦力になってくれるのはとても大きなメリットです。

当社は重機を使った仕事が多いのですが、なかには3、4種類の重機の資格を持っている人もいて、現場ではとても頼れる存在です。

距離を縮める工夫

当社では社員に対して、差別なく、すべて平等だという教育が徹底されています。また、待遇もそうですが、忘年会や新年会といった行事も当然一緒。

ほかにも、日本に来たばかりの頃に、休みの日を利用して実施しているのがミニ旅行です。バスをレンタルして名所めぐりを行い、少しでも日本のよいところを知ってもらえるように努力しています。

盛り上がったボーリング大会

受入れ検討企業へのアドバイス

おそらく受入れを検討している企業の不安材料として、外国人が工事の元請や発注者に対してどのような印象を持たれるか、というのがあると思います。ですが、彼らの仕事に真剣に取組む姿勢や、必ず元気にあいさつするところなどは、周囲から評価されているはずです。偏見も感じませんし、ハングリー精神や真面目さはむしろ見習いたいですね。