外国人を受け入れている企業様の先進事例

日本で自信を持って仕事を続けられる、一流の人材を育てたい

コンクリートポンプ株式会社 代表取締役副社長 加納 岳人 氏

岐阜県のコンクリートポンプ株式会社では、2001年から受入れを開始し、現在も多くの外国人を雇用しています。今回は、同社副社長の加納さんと中国人3名の声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:岐阜県各務原市大野町6-77
事業内容:とび、土工、コンクリート工事業など
Website: https://gcp-web.jimdosite.com/

外国人 11 名 /従業員数 25 名 内)特定技能 3名 / 技能実習生 8名(中国人、インドネシア人)
  • 従業員の負担軽減のために受入れスタート
  • 特定技能制度で人材育成が可能に
  • “敬語”で円滑なコミュニケーションを実現
技能実習生と作業内容を話し合うオウヒさん(右)
受入れを決めた理由は?
今から約20年前、当社と同じく人材不足に悩んでいた同業他社が中国人を受け入れたのを知り、制度に興味を持ちました。当時は仕事量と従業員数が合っておらず、多忙を極めていたこともあって、従業員の負担を減らしたい一心で同じく中国人の受入れを決めました。
受け入れて良かった点は?
人に教えることは、多くの新しい気づきをもたらしてくれます。外国人も懸命に働いているからこそ、時に仕事の進め方に意見をくれることがあり、それが“当たり前”になっていた作業方法の見直しにつながっています。結果として、会社全体のスキルアップにも役立っています。
今後の展開を教えてください。
人手不足解消のためにスタートした受入れですが、特定技能制度ができたおかげで、職長レベルの能力ある技能者に育てることが可能になりました。

彼らには日本人と同じように資格を取らせたり、技能を習得させたりと、もっとスキルアップできる環境を整えてあげたい。それにより彼らも自信がついて、日本でずっと仕事したいと思ってくれれば最高ですね。
初期導入
・国別の寮の確保
・生活家電1式
・Wi-Fi環境
・自転車
給与体系イメージ
・特定技能2号(基本給) 約31万円
 ※技能習熟等に応じた昇給あり
 ※賞与年3回(3、8、12月支給)
・技能実習(3号時)(基本給) 約22万円

コンクリートポンプ車を整備するカクさん(左)とブさん(右)
圧送作業は基本的に2、3人で行う

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能2号のオウヒさん、カクさん、ブさんの3名にお話を伺いました。

夢は日本で家族と暮らすこと。でも、まずは子どもの受験が最優先!

翁 飛(オウ ヒ)さん

2022年4月に、特定技能2号の在留資格を全国で初めて取得した翁飛さん。家族と一緒に日本で暮らすのが今の目標です。

ただ、現在は息子さんが高校受験の真っ最中。「大事な時期なのでまずは進学が最優先です」。日本の学校へ通わせたいかと聞くと「転校や入学手続きなど難しい問題がある。これから調べたい」と話すその表情は、まさに息子を思う父の顔でした。
助けてくれる日本人の先輩がいるからこそ、仕事も楽しめる!

郝 青松(カク セイショウ)さん

生コンクリート圧送の仕事が好きだというカクさんは、約10年前に技術を学びたくて来日しました。現在は二児の父で、特定技能2号の在留資格を取得し、家族を呼び寄せようとがんばっています。愛社精神も強く「難しい仕事を任された時、日本人の先輩が率先して代わってくれるなど、いつも助けてくれる。だから仕事も楽しいです」と笑顔で話してくれました。
日本人やインドネシア人と楽しく食卓を囲むのが何よりの楽しみ!

武 海明(ブ カイメイ)さん

職場では国籍を超えてみんなと仲がいいと話すブさんは、休日に催される同僚とのバーベキューが何よりの楽しみだそうです。「文化や宗教によって食べられるものが違いますが、それでもみんなで食べるとおいしいです」。日本語が得意で、準中型免許は一発合格だったとか。「筆記テストでは96点も取れました!」。今は大型免許取得に向けて猛勉強中です。

受入企業の取組み

執行役員 圧送事業部 部長
北川 雄司 氏

2001年から中国人を受け入れてきましたが、2017年からは新たなチャレンジとしてインドネシア人を受け入れています。今では中国人が日本語でインドネシア人に教えるといった風景も見慣れたものになりました。
興味深いのが、国によって働き方の価値観が違うことです。当社にやってくる中国人はどちらかと言えば給与を重視する人が多く、故郷にいる家族へよりたくさん仕送りすることを目的に働いています。

一方で、インドネシア人は働く時間や休日の日数などに重きを置いていて、プライベートを大切にしています。年齢の差や扶養家族の有無などそれぞれ状況が違うので、お国柄と一括りにするのは乱暴ですが、考え方に違いがあるのには驚かされました。
それでも中国人、インドネシア人、日本人とトラブルを起こすことなく、仲良く働ける環境を構築できています。

距離を縮める工夫

中国人と働き始めた当初は「ニーハオ」「シェイシェイ」など相手の国のあいさつを覚え、こちらから声をかけていました。

また、実践しているのが、年齢に関わらず敬語を使うこと。友達口調で話していると、叱る時などに乱暴な物言いになってしまいがちです。それを防ぐために、あえて普段から丁寧な言葉を使っています。

社員旅行で訪れた海で記念撮影

受入れ検討企業へのアドバイス

目的を持って来日する彼らは、本当に真面目に働いてくれます。当社の外国人たちも、仕事について事あるごとに相談してきてくれますし、「こうしたらもっと上手くいく」と、お互いに意見交換もしています。こうしたコミュニケーションが企業の強みにもなっているはず。きっと頼りがいのある人材になってくれると思いますよ。

社内の親睦会はいつも賑やか