外国人を受け入れている企業様の先進事例

日本に魅力を感じて働こうと来日する彼らの受け皿になりたい

画像:代表取締役 神山 孝 氏

有限会社カミヤマ 代表取締役 神山 孝 氏

埼玉県の有限会社カミヤマでは、2014年から受入れを開始し、現在もフィリピン人を雇用しています。今回は、同社代表の神山さんとフィリピン人3名の声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:埼玉県朝霞市田島1丁目4-3
事業内容:鉄筋工事業 など

外国人 3 名 /従業員数 6 名 内)特定技能 2名 / 技能実習生 1名(すべてフィリピン人)
画像:有限会社カミヤマ
  • 特定技能2号を後継者候補に
  • 危険な場所は理解するまで説明する
  • きつい言葉は良い結果を生まない
現場作業はなんでもこなせるジェシーさん
受入れを決めた理由は?
友人の会社がフィリピン人を受け入れていることから興味が湧き、送り出し機関に問い合わせたのがきっかけです。当時、人手に困ってはいなかったのですが、海外には優秀な人材が多くいると聞いて、受入れを決めました。結果、ジェシーと出会えたので決断は正解でした。
受け入れて良かった点は?
送り出し機関が言っていた通り、本当に優秀で努力家が多いことです。建設業は作業によって大変でつらいことがあります。近頃、日本人の若手はくじけて辞めてしまう、なんて話を聞くことが増えているなかで、彼らは本当によくついてきてくれている。感謝しかないですね。
今後の展開を教えてください。
当社のジェシーが今、特定技能2号を目指し、1級技能士の資格を取るためにがんばっています。私は後継者がいないので、いずれは会社を譲りたいとも考えています。同じように、今当社でがんばっているフィリピン人たちにも、日本で独立する夢を持ってほしいんです。そうして当社が日本に魅力を感じて働こうという人たちの受け皿になれればうれしいです。
初期導入
・社宅一軒家
・生活用品一式・Wi-Fi環境
・現場への送迎車
給与体系イメージ
・特定技能(月額基本給)約27万円
 ※年に一度昇給あり
 ※職能手当、資格手当
・技能実習時(月額基本給)約23万円

日本の技術習得に貪欲なニックさん
ジェシーさんは図面を読むこともできる

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、同社に在籍するフィリピン人3名にお話を伺いました。

画像:現場で働くみなさんの声
画像:ジェシーさん
自分がやさしくされた分だけ、後輩たちにやさしくしてあげたい

ジェシーさん

2021年に2級技能士を取得したジェシーさん。「学科の問題が漢字なので苦労したけど、周りのサポートのおかげで合格できました」。社長をはじめ先輩たちとは家族のような関係だそうで「入社当時、差別されないか怖かったけど、やさしく受け入れてくれたのが本当にうれしかった」。今度は自分が母国から来る後輩たちにやさしくしてあげたいと語ってくれました。
画像:ニックさん
仕事もプライベートも同郷の仲間がいて最高に楽しいんです!

ニックさん

ニックさんは日本で大工として働く友人から「日本は本当にいい国だよ」と教えてもらい、来日を決めたそうです。「来てみてつらいこともあるけど、この会社で出会った仲間と一緒に働いているときが本当に楽しいんです」。プライベートでも、同僚のフィリピン人同士で休日にバスケットボールをしているのだとか。「3人とも仲良くて、毎日充実しています!」
画像:レッチーさん
息子たちが立派に育つまではこの仕事をがんばりたい!

レッチーさん

フィリピンでは電気設備の仕事をしていたレッチーさん。なぜ鉄筋の仕事を選んだかというと「同じ建設業なので、何とかなるかなと思いました(笑) 」。13歳と11歳の息子がいて、大学を卒業するまでは今の仕事をがんばりたいとか。「いつかは日本に呼んで一緒に暮らしたいですね」。今の楽しみは、ジェシーさんやニックさんとの部屋での飲み会だそうです。

受入企業の取組み

職長
池田 真一 氏

私は2017年に入社しました。前職も同じく鉄筋の仕事をしていたのですが、外国人と一緒に働いた経験はなく、入社したばかりの頃はジェシーたちとどのように接すればよいか不安はありました。でも、彼らの真面目な性格を知って、すぐにコミュニケーションを取れるようにはなっていました。個人的には、来日したばかりの人が現場のなかの危険な場所に入るときは、その都度、注意をしています。ひょっとしたらまだ危険性を正しく理解できていないかもしれないので、しつこく思われても必ず説明することが事故を防ぐ一番の対策だと考えています。私たちが彼らを気にかけるように、彼らも私たちに気を遣ってくれているのを感じます。お互いにサポートし合いながら働けているので、良い関係性を保てていると思います。

距離を縮める工夫

言葉遣いには気をつけています。語気を強めたり早口で話したりすると、きつく聞こえて萎縮してしまうことがあります。そうすると、仕事のミスにつながるだけでなく、関係性が悪くなってしまう可能性もある。きつく言ったところで良い結果につながることはないので、どんなときもやさしく丁寧に話すようにしています。

打ち合わせはもちろん日本語で

受入れ検討企業へのアドバイス

今の建設業の人材不足を考えると、今後外国人が増えていくことは当然の流れだと感じています。そんななか、もう外国人だからと身構える必要もないとも思っています。彼らと普段、一緒に働いていて感じるのは、日本人の若者とそう変わらないということ。人としての気遣いを持って接すれば、必ず力になってくれるはずです。

「ジェシーはもう息子同然です」と神山社長
2023年10月23日取材 受入企業様の先進事例一覧へ