外国人を受け入れている企業様の先進事例

心を込めて接すれば必ずうまくいく、世界の優秀な人材に期待!

株式会社東京志村 代表取締役 伊東 弘樹 氏

千葉県にある株式会社東京志村では、1996年から受入れを開始し、現在も多くの中国人を雇用しています。今回は、同社代表の伊東さんと中国人のテキさんの声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:千葉県習志野市袖ヶ浦1-12-7
事業内容:建築工事業、内装仕上工事業など
Website: https://www.tokyoshimura.com

外国人 8 名 /従業員数 20 名 内)特定技能 5名 / 技能実習生 3名(すべて中国人)
  • メリットは必要な人員を確保できること
  • 先輩が後輩を指導するスタイルを確立
  • 世界各国から優秀な人材が集まる組織
天井に軽量鉄骨下地(LGS)を取り付けるテキさん
受入れを決めた理由は?
受入れをスタートしたのは1996年でした。

当社はその頃、人材に困ることなく、日本人の若手も多数雇用していました。ですが、先代の社長だった父は「今後、必ず人材不足になるはず」と考え、まだ業界でも浸透していなかった外国人の受入れにいち早く着手したそうです。
受け入れて良かった点は?
毎年、必要な人員を確保できることは大きなメリットです。もちろん来日したばかりは言葉や仕事を覚えるところからスタートしますが、2年もすればほとんどの外国人が十分な力をつけてくれます。

これからも特定技能にまで育ってくれれば、会社にとってはもう大戦力です。
今後の展開を教えてください。
これまで26年間、中国人を受け入れてきましたが、コロナ禍以降は中国での面接を行えない状況が続いています。そこで、来年からは新たにインドネシア人を受け入れることにしました。

迎え入れる環境を整えるのにまた一からのスタートになりますが、これまでの経験上、心を込めて接すれば必ずうまくいく。さらに優秀な人材に出会えることを期待しています。
初期導入
・寮の確保(Wi-Fi環境あり)
・生活家電、生活用品支給
・車両確保 など
給与体系イメージ
・特定技能(基本給)約21〜26万円/月
 ※技能習熟等に応じた昇給あり
・技能実習(基本給)約16〜19万円/月

今では現場を一人で任されることも少なくない
現場管理者の大崎さんからの信頼も厚い

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、同社に在籍する特定技能2号のテキさんにお話を伺いました。

特定技能2号になった今、娘にも日本でチャンスをつかんでほしい!

翟 志国(テキ シコク)さん

テキさんが技能実習生として最初に来日したのは2006年で、当時は特定技能制度がなく、技能実習修了後も引き続き日本で働きたいと考えても難しかったそうです。

3年の実習期間が修了して帰国した後も、伊東社長が仕事で中国へ行くたびに「また日本へ行きたいです」と、日本で働くことへの思いを伝えていました。そして、帰国から7年後の2016年、ついにチャンスが到来します。「オリンピックをきっかけに就労制度ができた時は本当にうれしかった」。

日本で働くことや生活することに難しさは感じていないようで、意外とスムーズに馴染めたとか。「日本は漢字を多用するので、文字を見るとある程度は意味がわかるんです。特に建設業は“安全第一”など漢字の標語が多い。それが助かりました」。

最初に来日した頃は、伊東社長と筆談をして話していたそうです。そんなテキさんと伊東社長が以前から目標にしていたのが特定技能2号の取得で、2022年に全国で二番目に取得しています。

テキさんの今の目標は、家族と一緒に暮らすこと。「大学生になる娘にはいつか日本へ来て、自分の好きな仕事を見つけてほしい。そして私と同じように、チャンスをつかむことを願っています」。

受入企業の取組み

現場管理者
大崎 史朗 氏

1996年からこれまで約140人の中国人を受け入れてきました。その中で、私は主に職長として彼らに直接仕事を教える役割を担っています。当初は、現場で私がまず見本を見せて、それを真似させる方法で教えていました。

ですが、毎年8人から10人ほど受け入れて人数が増えてくると、一人ひとりに教えることは難しくなります。そこで、日本語を覚え始めた中国人に「これを教えて」と伝え、先輩が後輩を指導するスタイルを確立したことでずいぶんと作業的には楽になりました。

ただ、当社の中国人は年功序列があまりなく、基本的には来日した者同士、友達感覚でいるようです。だから、1年目の人が仕事に遅刻した際に、先輩たちが注意できるかというと、そうではありません。その点は私がフォローする必要があり、それぞれに会社のルールを理解させることが必要です。

その他にも、物事の捉え方が多少違うようで、私たちの感覚では道具は壊れたら修理するものです。しかし、彼らはすぐに捨ててしまうので、日本では物を大切に使うことを教育するなど、文化や慣習についても私が伝えています。

距離を縮める工夫

飲み会などは定期的に行っています。ただ、どうしても中国人同士で一つのテーブルに集まってしまいますので、私たちからお酒を注ぎに行ったり、また注いでもらったりして、お互いに乾杯し合っています。

コロナ禍になる前には、会社でバーベキューを催すのが恒例になっていました。総勢60人ほどが集まり日本人と中国人が、一緒になって盛り上がっていましたね。

個人的に驚いたのは、彼らがあまりアルコールを飲まないということ。中国人はお酒が強いのだろうと勝手に想像していたので意外でした。

以前は恒例だった社員旅行での思い出の一枚

受入れ検討企業へのアドバイス

社長の目標が、世界各国から優秀な人材が集まる、ラグビー日本代表のような会社にすることです。これからインドネシア人を受け入れるので、まさに多国籍な組織になっていくことでしょう。

そうした夢が持てるのは、人材不足に悩んでいる状況よりはとても幸せなことだと思います。それに若い人材がいると、やはり現場も賑やかになります。

2018年には内装仕上げ施工技能士1級を取得
2022年11月29日取材 受入企業様の先進事例一覧へ