外国人を受け入れている企業様の先進事例

人生をかけ来日している彼らを受け入れた以上は、最後まで面倒を見る

黒澤工業株式会社 代表取締役 黒澤 克之 氏

茨城県の黒澤工業株式会社では、2015年から外国人の受入れを開始し、現在も多くのベトナム人を雇用しています。今回は、同社代表の黒澤さんとベトナム人3名の声をご紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

所在地:茨城県笠間市安居2891-1
事業内容:ダクト工事、空調設備工事、産業空調設備工事、板金製作、製缶製作など
Website: https://www.kurosawa-ind.co.jp

外国人 14 名 /従業員数 52 名 内)特定技能 5名 / 技能実習生 9名(すべてベトナム人)
  • 関東では先駆けとなって外国人を受け入れる
  • 帰国者が活躍できるよう現地法人を設立
  • SNSでコミュニケーションの深化をはかる
本社に併設された工場内での作業の様子
受入れを決めた理由は?
当社はマンパワーを必要とする会社です。若手入職者を増やす選択肢として、外国人を雇用することに迷いはありませんでした。ただし、当時はまだ多くの建設会社が外国人の受入れを躊躇している時期でした。その点では、当社は関東でも早々に受入れを決めた先駆け的な存在だったと思います。
受け入れて良かった点は?
彼らは日本の文化も言葉もわからないまま来日して、そんな中でもモチベーション高く仕事をしています。その姿が日本人の社員にとって手本にならないわけがありません。すごく刺激を受けたと思います。また、ベトナム人は陽気な性格が多く、社内が明るくもなりました。
今後の展開を教えてください。
日本で技術を習得してベトナムに帰り、建設会社に就職しようとしても、いわゆる“日本式”の工事を行なっている会社は限りなく少ないのが現状です。そこで、彼らが身につけた技術を発揮できる場所を作るために、現在、現地法人の立ち上げを準備している最中です。受け入れた以上は、最後まで面倒を見る。これは雇用主として当然のことだと考えています。
初期導入
・寮の確保(Wi-Fi環境あり)
・希望者には原付バイク支給
 ※免許取得は自己負担
など
給与体系イメージ
・特定技能(月額基本給)約21~28万円/月
 ※技能習熟等に応じた昇給あり
・技能実習(月額基本給)約17~20万円/月

現場以外に工場でのダクト製造にも従事
塩ビ溶接の練習に励む特定技能外国人たち

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号のハンさん、グエンさん、タインさんの3名にお話を伺いました。

夏は海、冬は温泉へ。いつかは家族に日本のすばらしさを伝えたい!

ハンさん

母親から日本で働くことを勧められて来日を決めたという、親思いのハンさん。母国にいる家族の生活を少しでも支えたいと、技術の習得にも余念がありません。夢は、特定技能2号になって、家族を日本に呼び寄せること。「夏だったら日本の海へ連れていきたいです。冬だったら温泉がいいですね」。発想が日本人と同じなのが微笑ましいです。
日本で手に職をつけ、母国で起業するのが目標です!

グエンさん

高校を卒業後、農業大学に合格していたものの、家畜の病気が流行し始めたことがきっかけで、将来の仕事に危機感を感じ、進学を断念。日本で手に職をつけようと一念発起しました。「日本ではお金を稼ぐだけでなく、しっかりと技術を身につけたいです」と、グエンさん。将来は母国に帰って、エアコンを取りつける仕事で起業する計画も立てているそうです。
たくさんの魅力を体感したくて、日本で働くことを決めました!

タインさん

タインさんは友達から日本の魅力を聞き、来日を決めました。「日本には景色の良い場所がたくさんあり、親切な人が多いと知り、楽しみにしてきました」。実際はどうだったのかと質問すると「会社の人たちにはいつも助けてもらっています」と、笑顔で答えてくれました。会社の行事で楽しみなのが忘年会。パーティーのような雰囲気が大好きだそうです。

受入企業の取組み

管理部安全課 課長
小林 有希子 氏

2015年の受入れ当初から重視していたのが、彼らの生活環境を整えることでした。そこで、関連企業を介して、母国で学校の先生や通訳をしていた女性のベトナム人を紹介していただき、生活をサポートする上での注意点などを教わりました。また、ベトナム人の従業員に直接、日本での生活についてアドバイスをしてもらうなど、1年ほどはご協力いただきました。その後は当社で世話役を用意し、現在は私が担当しています。

私の実家は農家で、幼い頃から技能実習生を受け入れていたので、さまざまな国の人と接する機会がありました。それが理由なのか、来日したばかりのつたない日本語も、不思議と私は理解できます。プライベートや仕事についての相談にも乗っていて、反対に私の息子が算数を彼らに教えてもらうなど、“日本のお母さん”のつもりで彼らと接しています。

距離を縮める工夫

職場で私が忙しそうにしていると、遠慮して話しかけてこないことがあるので、SNSでも相談を受け付けています。家に帰ってから「今日、仕事でこんなことがあったんだ」とベトナム語で伝えてくれるので、それを日本語に訳して読み、返答しています。それを繰り返していたら自然と距離が縮まりました。

“日本のお母さん”小林さんと「ハイ、チーズ!」

受入れ検討企業へのアドバイス

コミュニケーションに関して言えば、毎日声をかけることが何よりも大切です。ベトナムは家族を大切にする国なので、家族のことを聞いたり、反対にこちらも家族の話をしたり、お互いに自己紹介することで信頼関係が強まるはずです。彼らは人生をかけて日本へ来ています。ぜひ手厚くサポートしてほしいですね。

社内行事はベトナム人が中心となりいつもにぎやか