外国人を受け入れている企業様の先進事例

彼らと共に成長し日本の技術を世界に広めたい!

画像:代表取締役社長 菅原 直樹 氏

株式会社菅原設備 代表取締役社長 菅原 直樹 氏

愛知県を拠点に給排水設備工事業を展開している株式会社菅原設備。多国籍人材を受け入れており、育成に力を入れているのが特徴です。今回は同社の取組みや、職種「配管」で活躍するベトナム人2名の声を紹介します。

受入企業 Interview

企業プロフィール

株式会社菅原設備
所在地:愛知県津島市元寺町三丁目21番地2
事業内容:給排水設備工事業
Website: https://www.agile-innovation.co.jp

外国人 7 名 /従業員数 52 名 内)特定技能 4名 / 技能実習生 3名(中国人、ベトナム人、ミャンマー人)
画像:株式会社菅原設備
  • 対立が生まれないように多国籍人材を雇用
  • 日本語教室を開催して会社全体で語学力アップ
  • 外国人就労者が国内外で活躍できる場を整備
仕事熱心で成長意欲も高いタンさん
受入れを決めた理由は?
当社は2000年に3名で立ち上げた会社です。設立後は規模を拡大していくために人材確保に力を入れていたのですが、小さな会社に人はなかなか集まらないもの。どうしたものかと考えていた時、知り合いの経営者の方々から「外国人はとてもがんばって働いてくれる」というお話を伺いました。そこで、2004年に技能実習生を受け入れたのが最初になります。
受け入れて良かった点は?
一緒に働いてみて驚いたのは、彼らのハングリー精神でした。現場では他の従業員の仕事をすぐに覚えて自分の技術にしてしまいます。さらに「次はこれを任せてほしい」「残業してでももっと仕事をしたい」と積極的にアピールしてくるなど、即戦力になってくれたので助かりました。
今後の展開を教えてください。
外国人技能実習制度を導入した当初、「母国に帰っても自分たちの技術を活かす場がない」という声があがりました。そこで当社では、ミャンマーやベトナムに現地法人を設立しています。特定技能や技能実習生が日本と母国、どちらでも活躍できる環境を整備していくことが目的で、今後も彼らと共に高め合える関係を築きながら、世界に日本の技術を広めていくことを目標にしています。
初期導入
・寮の確保 
・生活家電一式  
・入国前からの日本語教室サポート
・入国後実務研修(2週間~1カ月程度)
給与体系イメージ
・特定技能(総支給額) 約19万円/月
・技能実習(総支給額) 約16万円/月
・外国人建設就労者(総支給額) 約20万円/月

 技能習熟等に応じた昇給あり 部署移動手当あり など
 ※実務経験によって異なります。

現場でミニショベルを操るトゥンさん
同僚の日本人との息もぴったり

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号として働くベトナム出身のトゥンさん、タンさんにお話を伺いました。

画像:現場で働くみなさんの声
画像:トゥンさん
強みはゲームで上達した日本語。来日予定の弟と早く同じ現場で働きたい!

トゥンさん

24歳で一家の大黒柱として、母国ベトナムにいる母や弟を養っているトゥンさん。日本語が得意で、日常的な会話なら問題なく話すことができるそうです。「オンラインゲームで日本人と話しながらプレイしていたら、自然と上達していきました」来月にはベトナムから弟が来日し、現場で一緒に働く予定。今から待ち遠しいと、笑顔で教えてくれました。
画像:タンさん
住みやすく環境のいい日本で家族一緒に暮らすのが夢!

タンさん

5歳と6歳の息子を持つタンさんは、来日する前は台湾で働いていたそうです。日本との違いを聞くと「日本はとにかく街がきれいで、騒音も少ない。こちらのほうが住みやすいです」と答えてくれました。そんな日本で家族と暮らすのが夢だとか。現在は教習所に通っていて、数年後には車を購入したいとのこと。「早く免許を取得して、自家用車で現場に行くのが目標です」

受入企業の取組み

工事長
後藤 直樹 氏

受入れをスタートした当初は、言葉が通じないことや、文化や生活習慣の違いから日本人従業員とトラブルにならないか、不安な部分があったのは事実です。どのようにすればコミュニケーションをうまくとることができるか、スムーズに作業を進めることができるか、これまで手探りで模索してきました。その中で、特定技能や技能実習生との関係性を良好に保つ方法の一つとして行っているのが、さまざまな国籍の方をバランスよく受け入れるということです。

実際に、これまで中国人、モンゴル人、ミャンマー人、ベトナム人など、さまざまな国籍の方を受け入れてきました。それぞれ国が違う人を少数かつ同時期に受け入れることで、同じ国の人同士で固まることもなくなり、その分、日本人との距離も縮まります。また、彼らも故郷を離れて働きに来ている立場なので、人種が違っても仲間意識が強くなるようです。すると、菅原設備の仲間が国境を越えた“ファミリー”になり、強い愛社精神まで持ってくれるようになりました。今では、日本人、外国人という垣根もなく、共に働く仲間として強い連帯感が生まれています。

距離を縮める工夫

日本語を話すスピードが速いと聞き取りづらいようで、基本的にはゆっくり話すようにしています。また、話し方も「これ、配管、大丈夫?」と、簡単な単語で区切りながら話すとより理解しやすいようです。他の業者もいる現場で活躍するには、日本語レベルを上げることが大切です。そこで当社では、日本語教室を開催し、月に1回オンライン学習を行っています。受入れが決まっている人にも海外で受講してもらうなど、日本語が上達する体制を整えています。

ONE FOR ALL, ALL FOR ONE

受入れ検討企業へのアドバイス

今後、少子高齢化が進む日本で建設業を営んでいくには、海外の人材を受け入れることを前提にしていないと成り立たなくなる可能性があります。とはいえ、最初の一歩を踏み出すのが怖いのもわかります。そこで、実際に受入れをスタートしている企業の現場を一度見学してみてはいかがでしょうか。おそらく、1日でもその働きぶりを目の当たりにしたら、彼らがいかに一生懸命に仕事をしていて、現場で力を発揮しているかがわかるはず。ぜひ体感してみてほしいと思います。

みんな仲良く働いてます!