特定技能外国人制度の概要

このページでは、『特定技能外国人制度』が設けられた理由やその目的、建設分野の特定技能受入職種や制度の説明、そして受入企業が行わなければならない役務について説明します。

また、制度についてよくいただくご質問を巻末に掲載しています。
※回答は『受入れマニュアルとQ&A』に飛びます。

特定技能外国人制度の創設と受入職種

平成30年12月14日、出入国管理および難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)が公布されました。 これにより、新しい在留資格「特定技能」が設けられました。これを受け、人手不足が深刻であると認められた14の分野において外国人労働者の就労が可能となりました。

14分野のひとつ、建設業界もまた深刻化する人手不足に悩まされてきました。建設業界の就業者数は1997年の685万人をピークに、2020年11月時点では505万人に減少しています。生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材の確保が困難な建設分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく制度が構築されました。

お知らせ業務区分【土木】、業務区分【建築】、業務区分【ライフライン・設備】に再編しました。これにより、特定技能外国人が従事可能な業務範囲が拡大、柔軟に仕事ができるようになりました。(2022年8月30日)
詳しくは「建設分野の特定技能に係る業務区分の変更について」をご確認ください。
写真:特定技能外国人

特定技能受入対象職種(18職種)

型枠施工 左官 コンクリート圧送 トンネル推進工※ 建設機械施工 土工※ 屋根ふき 電気通信※ 鉄筋施工 鉄筋継手※ 内装仕上げ とび 建築大工 配管 建築板金 保温保冷 吹付ウレタン断熱※ 海洋土木工※

※印の6職種については、技能実習等に職種がないため、「建設分野特定技能1号評価試験」を受験し、合格することが必要。

建設分野の特定技能外国人制度とは

建設業は、他産業と比べて技能実習生の失踪が多く、失踪した実習生が不法就労の状態でまた別の建設現場で働いている現状があります。また、ライバル会社が安価な労働力として外国人を雇うことになれば、建設業者間の公正な競争環境をゆがめるのではないかとの懸念もあり、業界として賃金や社会保険、安全衛生のルールをしっかり整備して、ルールを守らない企業を排除していく必要があります。

失踪した実習生が不法就労で安価な労働力として働いているのを適正化する

こうした問題に対して建設分野では、特定技能外国人を受け入れる企業は、出入国在留管理庁からの在留資格取得の前に、受入計画を作成して国土交通省の認定を受け、認定後も認定計画の実施状況について国土交通省または適正就労監理機関から確認を受けることが義務付けられました。

そして、この制度の創設により、技能実習2号等修了後、引き続きの在留が認められなかったこれまでとは異なり、引き続き通算5年間、企業の戦力として働いてもらうことができるようになりました。また、帰国している技能実習修了者も、再度呼び寄せ、直接雇用することができるようになりました。

建設企業と特定技能外国人の信頼関係イメージ 建設企業と特定技能外国人の信頼関係イメージ

特定技能外国人になるには

外国人が特定技能外国人になるルートは以下の2つがあります。

ルート1(技能実習等未経験者)とルート2(技能実習等経験者)がそれぞれ特定技能1号になるルートの説明 ルート1(技能実習等未経験者)とルート2(技能実習等経験者)がそれぞれ特定技能1号になるルートの説明

   ※1 「技能実習2号を良好に修了」とは、技能実習を2年10ヶ月以上修了し、次のいずれかを満たすことが必要です。
[1] 技能検定3級または技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格していること。 [2] 技能検定3級または技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格していないものの、実習中の出勤状況や技能等の修得状況、生活態度等を記載した実習実施者が作成した評価調書により技能実習2号を「良好に修了」したと認められること。


受入企業が行う手続き

建設分野の1号特定技能外国人を受け入れるために企業に課された手続き等があります。
主なものを列記しましたのでご参照ください。

受入れ
1

建設業法第3条許可の取得(地方整備局等または各都道府県)

2
JACに間接的または直接的に加入
➡会員証明書の入手
JACの会員になるとは
※建設特定技能受入計画の認定申請に必要
3
建設キャリアアップシステムへの登録
(一財)建設業振興基金
建設業振興基金へ
4

特定技能雇用契約に係る重要事項説明

5

特定技能雇用契約の締結

6
建設特定技能受入計画の認定申請
(オンライン申請(地方整備局等))
国土交通省
外国人就労管理システムへ
※現に有する在留資格の在留期間満了日(または入国予定年月日)の半年前から申請可能 ※建設特定技能受入計画の審査は、受入企業の主たる営業所を管轄する地方整備局等が担当します。地域によっては審査が完了するまでに3〜4か月かかる場合がございます。
7

1号特定技能外国人支援計画の作成

8
「在留資格変更許可申請」
または
「在留資格認定証明書交付申請」
(窓口またはオンライン申請(地方出入国在留管理局))
出入国在留管理庁
在留資格変更許可申請へ
出入国在留管理庁
在留資格認定証明書交付申請へ
※「在留資格変更許可申請」は現に有する在留資格の在留期間満了日の2ヶ月前から申請可能 ※「在留資格認定証明書交付申請」は入国予定年月日の3ヶ月前から申請可能
受入れ
9
1号特定技能外国人受入報告書の提出
(オンライン申請(地方整備局等))
外国人就労管理システムへ
※受入後より1ヶ月以内に提出
10
受入後講習の受講
(一財)国際建設技能振興機構(FITS)
国際建設技能振興機構へ
※概ね6か月以内に受講

技能実習等から「特定技能1号」への在留資格変更について

技能実習生から特定技能1号への切替『メリット』

メリット1技能評価試験・日本語試験は受験不要
技能実習2号を良好に終了した外国人が「特定技能1号」に移行を希望する場合は、技能評価試験と日本語試験の受験が免除されます。ただし、同じ職種への移行に限ります。
メリット2初期費用の負担が抑えられる
例えばベトナムの場合、実習生が日本にいる間に「特定技能」へ切り替えれば、送り出し費用がかからず、費用負担を抑えられます。
メリット3在留資格切替え手続きに時間を要する場合は、「特定活動(4ヶ月・就労可)」への在留資格変更が可能
技能実習2号・3号と特定活動(外国人建設就労者受入事業)は移行準備が整っていない場合は特定活動に申請して働きながら準備ができます。

在留期間の満了日までに申請に必要な書類を揃えることができないなど、在留資格切り替え手続きに時間を要する場合は、就労を予定している受入れ機関で働きながら準備を行うことができるよう「特定活動」への在留資格変更許可申請を行うことができます。
※この在留資格で在留した期間は、在留資格「特定技能1号」の通算在留期間(上限5年)に含まれます。

詳しくは出入国在留管理庁のサイトをご確認ください。

出入国在留管理庁