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受入企業の先進事例に学ぶ。建設業界の人手不足どうする?
NEWS!建設・土木や介護など7職種で2040年に担い手不足の予測!
リクルートワークス研究所によると、東京、神奈川、千葉、大阪の4つの都府県以外で軒並み不足するとされています。
建設業界の人手不足は"待ったなし"の状況
建設業界は深刻化する人手不足に悩まされています。建設業界の就業者数は1997年の685万人をピークに、2020年11月時点では505万人に減少しています。生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材の確保が困難な建設分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく制度が構築されました。それが、「特定技能外国人制度」です。
この制度の創設により、技能実習2号等修了後、引き続きの在留が認められなかったこれまでとは異なり、引き続き通算5年間、企業の戦力として働いてもらうことができるようになりました。また、帰国している技能実習修了者も、再度呼び寄せ、直接雇用することができるようになりました。現在、この制度を利用している企業は増加しており、人手不足対策を真剣に考える時期になってきていることがわかります。
中長期的な人材確保策は考えていますか?
応募をしてもなかなか人が集まらない状況は肌で感じられていると思います。この在留資格「特定技能」の活用を一度検討されてみてはいかがでしょうか。
建設分野では、専門工事業者団体、元請けゼネコン団体によって、(一社)建設技能人材機構が設立され、しっかりとした受け入れ態勢で「不法就労」「法令違反」を防ぎ、健全な人手不足対策を行っています。また、「無料の日本語教育」や「各種講習・研修」など受入れ前から受入れ後まで(一社)建設技能人材機構がサポートしてまいります。
受入事例:世界から優秀な⼈材が集まる会社にしたい!
柏倉建設株式会社
2013年から外国人の働き手を受け入れているのが、柏倉建設株式会社(北海道札幌市)です。その中で型枠職人として働くベトナム人3名、そして同社代表の声をご紹介します。
受入企業 Interview
【企業プロフィール】
代表取締役社長:柏倉 ⼀大 氏
所在地:北海道札幌市豊平区月寒東2条6丁目2番18号
事業内容:型枠工事 / 仮設材リース
Website: http://kashikurakk.com
外国人 21 名 /従業員数 108 名
内)特定技能 10名 / 特定活動 5名 / 技能実習 6名 (すべてベトナム人)
- 外国人の採用で業界を活性化
- 社内の競争力が高まる!
- 外国人のキャリアアップを可能に
現場での型枠工事の様子
受け入れを決めた理由は?
建築業はいまだ入職者が少なく、また定着率が低い状況が続いていますが、世界には日本の建設技術に興味を持ってくれている人たちがたくさんいます。そんな彼らが日本で活躍することで、国内でも建設業の魅力に注目してもらえるのではないかと思ったのがきっかけの一つです。
受け入れて良かった点は?
仕事はスポーツや趣味と一緒で、やる気を持って取り組めば上達が早くなります。その点、ベトナム人は技術を習得しようと目標を持って働いているので仕事を覚えるのも早い。すると、日本人の職人も負けていられないと励むようになり、社内の競争力が高まりました。
今後の展開を教えてください。
目標は、職長をはじめとするベトナム人だけの班を作ることです。日本でキャリアアップできることがわかれば、家族を帯同させたり、日本で結婚をしたりと、人生設計に広がりを持てるようになるはず。結果的に優秀な人材を集めることにもつながるので、ぜひ実現させたいですね。
職長の指示のもと、作業に従事する特定技能外国人
現場で働くみなさんの声
今回、日本での仕事や生活について、特定技能1号のソンさん、ルアンさん、そして技能実習生のトウオンさんの3名にお話を伺いました。
特定技能になって、型枠工事の難しい仕事を任せてもらえるようになったことが、うれしいと喜び、もっと図面も読んで計算できるようになりたいと勉強中とのこと。Rの壁や階段ができるようになったら、一人前と認められるかな?とはにかむ姿が印象的な3名です。
家族の期待に応えるため、まずは型枠施工技能検定2級の取得を目指す!
ソンさん
日本の建設技術の高さを知り、学びたくて来日を決めたというソンさん。型枠施工技能検定2級の取得に向けて、今は図面の読み方を勉強しているそうです。「図面をコピーして持ち帰り、わからないところを職長に聞いて教えてもらっています。」ベトナムにいる家族も応援してくれているようで、現場では母親の手作りマスクをしてがんばっています。
難易度の高い階段の施工を一人で任せられるようになることが目標です!
ルアンさん
来日したばかりの頃は日本語がまったく話せなかったルアンさんですが、今では社内のベトナム人の中で誰よりも上達したそうです。何よりうれしかったのが、入国の時に空港へ会社の人が迎えに来てくれたことだとか。「会社の待遇もよく、みんながやさしく接してくれるので楽しく働けています!」
日本人の仕事への取り組み方を学んで母国に貢献したい!
トウオンさん
来日して一番よかったことは、日本の考え方や価値観を知ることができたことだと、トウオンさん。「ベトナム人は仕事が大雑把なところがあるのですが、日本人はとにかく几帳面で丁寧。ぜひその感覚を身につけたい。」仕事の中でわからない言葉があったら必ずメモをして後で調べるという努力家です。
受入企業の取組み
工事部 次長
鈴木 直樹 氏
当社は2013年から技能実習生や特定技能外国人を受け入れており、現在は21名のベトナム人が働いています。ベトナムは親日として知られている国で、個人的には真面目な人間が多い印象ですね。実際に現場でも仕事を少しでも早く覚えようと熱心に取り組んでくれています。そうした姿勢から職長たちからの信頼も厚く、「彼らを自分の班に入れてほしい」という声も少なくありません。
特にルアン、ソン、トウオンの3人は技術の習得も早くて、型枠大工の仕事の8割くらいは一人でできるようになりました。日本語は完璧に話せるわけではないですが、それぞれ覚えようと努力してくれていますし、コミュニケーションもある程度のことは身振り手振りで十分に伝わります。日本人の職人と比較しても本当によく働くので、これからの活躍にも期待しています。
距離を縮める工夫
コロナ禍になる以前は、社内で催していた芋掘りや新年の集まり、また定期的に行っていた屋外でのバーベキューやジンギスカンなどに参加してもらい、親睦を深めていました。
彼らは寮に住んでいるので、特に正月などは一人になってしまいます。行事を通したコミュニケーションは仕事の円滑化にもつながるので、早く再開したいですね。
職場の仲間との食事会
受入れ検討企業へのアドバイス
習慣の違いなどを理解しておくことは非常に大切です。例えば、ベトナムでは他人の頭を触ることは絶対にタブーです。「頭は聖なる霊が宿る場所」であり、どんな理由があっても触ることを良しとしません。
ただ、そうした情報は事前に社内で共有しておけば問題ありません。相手の国の文化や習慣を事前に調べておくことをおすすめします。
ベトナム人は明るい性格の人が多いのだとか
2021年10月29日取材
他にもたくさんの受入れ企業の先進事例があります。ぜひご参考になさってください。
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私が記事を書きました!
一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任
加納 素子
かのう もとこ
愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。