JACマガジン

外国人労働者との働きかた

2024/01/16

ベトナムの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

ベトナムは、親日家も多いといわれる東南アジアの国。
特にハノイやホーチミンは、日本からの観光客も多く訪れる都市です。
また、ベトナム料理のフォーや生春巻きなどは、日本でも人気がありますよね。

実は、特定技能外国人の6割がベトナム人であり、すでに日本で多くのベトナム人が活躍しています。

今回は、ベトナムの国民性について詳しく解説します。
国の特徴やコミュニケーションのコツも交えながらご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ベトナムはどのような国?

ベトナムは南シナ海に沿って南北に長く伸びる国で、国土面積は日本から九州を除いた面積と同じくらいの大きさの、約32.9万km2です。
正式な国名は、ベトナム社会主義共和国といいます。

人口は約9,946万人(2022年ベトナム統計総局)です。

北部にある首都ハノイでは、中国文化が色濃く残っているのが特徴です。
南部にある都市ホーチミンは、熱帯地域特有の陽気と活気にあふれており、人気の観光スポットになっています。

ハノイとホーチミンは、日本の主要空港から直行便があり、6~7時間程度で行き来が可能です。

民族はキン族が約86%で、公用語はベトナム語です。
ベトナム語は母音が12個、声調が6種類あり、発音が難しい言語として知られています。
キン族以外にも少数部族が53あり、中にはベトナム語がまったくわからないという人もいます。

宗教は、仏教やカトリック、カオダイ教が信仰されています。

ベトナムの主要な祝日は「南部解放記念日(統一記念日)」「建国記念日」「テト(旧正月)」。

南部解放記念日は、毎年4月30日。
1975年4月30日に、それまで分断されていた北部と南部が統一され、ベトナム戦争が終結。
それを祝う日です。

建国記念日は、毎年9月2日。
1945年9月2日にフランスや日本の植民地下からの独立を宣言したことに由来しています。

テトは、日本の正月休みにあたります。
ベトナムでは旧暦で行い、1週間程度連休になります。

職場にベトナム出身のスタッフがいる場合は、一時帰国支援が必要になる可能性もあるでしょう。

ベトナムの人の性格や価値観は?国民性を知ろう

ベトナムの人は勤勉で真面目に働き、温厚な人が多いといわれています。
また、シャイで恥ずかしがり屋な部分も多いです。
そのため、ベトナム人は日本人に似ているともいわれています。
残業代が出るのであれば、労働時間が長くなっても働いてくれる人は多いです。

ただし、ベトナムは国土が南北に長く伸びていることや、戦争などによって分断されていた歴史もあるため、北部、中部、南部で文化や食生活・国民性に違いがあります。

首都ハノイを中心とする北部は、社会主義の影響が色濃く残り、真面目でシャイな人が多く、堅実なことを好む人が多いといわれています。

対してホーチミンを中心とする南部は、資本主義の影響を強く受けており、経済都市としても有名なことから、おおらかで商売上手な人が多いといわれています。

ダナンを中心とする中部は開発が活発なエリアで、成功に向けてのチャレンジ精神や向上心が高い人が多いといわれています。

そんなベトナムの人は、家族を大切にする人が多く、家族のイベントや病気の時には「家族のために仕事を休むのは当たり前」と考えるのが一般的です。
職場にベトナム人スタッフがいる場合は、欠勤や遅刻の理由が家族である可能性もあると頭に置いておきましょう。

また、ベトナムは朝早くから活動する人が多いため、昼寝の習慣もあります。
ベトナムで朝早く活動する理由は、一般家庭で食材を冷蔵庫に保存する習慣がないため、市場で買い出しをする必要があるからです。
日本での生活でも同じとは限りませんが、昼寝を当たり前と思う人はいるかもしれません。

ベトナムのほか、ミャンマーやインドネシア、フィリピンの国民性についてもご紹介しています。
ぜひ参考にしてください。

タイの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ネパールの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ミャンマーの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
フィリピンの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
インドネシアの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!

ベトナム出身のスタッフとうまく仕事を進めるためには?

ベトナム出身のスタッフと円滑に仕事をするため、コミュニケーションを取る際に意識したいことが3つあります。

ベトナム人スタッフと一緒に働き始める前に、社内で共有しておくと良いでしょう。

①地域や個人による性格の違いを理解する

1つ目は、地域や個人による性格の違いを理解することです。

ベトナムの人は、勤勉で真面目な人が多いといわれていますが、出身地域によって違いますし、一人ひとりの性格も異なります。
「ベトナムの人は○○だ」と決めつけず、個人の性格や能力を見るようにしましょう。

②わかりやすい日本語で話す

2つ目は、わかりやすい日本語を使うことです。
ベトナム出身の人に限りませんが、日本語の専門用語や方言、略語は非常に難しいです。
わかりやすい表現をピックアップしておくとスムーズでしょう。

日本特有の表現である和製英語は、外国人には伝わらないので特に注意したい表現です。
例えば和製英語には、次のようなものがあります。

  • 和製英語:ノートパソコン→英語:ラップトップ
  • 和製英語:タッチパネル→英語:タッチスクリーン
  • 和製英語:コンセント→英語:アウトレット
  • 和製英語:ホチキス→英語:ステープラー

③賃金体系を明確にする

3つ目は、賃金についての考え方の違いを知っておくことです。

ベトナムの人は、賃金に対しての考え方がシビアです。
ただし、残業代が出るなら長時間でも仕事をするという人も多いので、残業代についての規則を明確にしておくと良いでしょう。

また、現時点でいくら稼げるかを重視する人が多いので、将来どうなるか・どのくらいの賃金になるかよりも、現時点でのスキルと見合う賃金体系であるかも重要です。

まとめ:勤勉で真面目なベトナム人の国民性。日本人と近い国民性も

ベトナムは南北に長く伸びる国で、地域によって文化や国民性が違いますが、おおむね勤勉で真面目な人が多く、日本人と似ているといわれています。

きちんと賃金が支払われるのであれば労働時間が長くなることも受け入れてくれる傾向にあり、責任を持って仕事をやり遂げてくれるでしょう。

家族を大切にするのが当たり前という考えなので、家族の行事や病気の際には休みを取りたいという人が多いです。
ベトナム人の正月は旧正月で、1週間程度連休になるため、一時帰国支援も必要になることがあるでしょう。

ベトナム人の雇用形態としては、特定技能があります。
一定の技能や日本語能力を持っていることが必要条件の在留資格なので、即戦力が欲しい企業様はぜひご検討ください。

日本人向け外国人共生講座「ベトナム人従業員となかなかうまくいかない! どうする??」を開催!

JACでは「外国人スタッフと円滑に仕事を進めるために理解しよう!」を目的に「外国人共生講座」を開催しています。

第3回目となる2023年9月14日の外国人共生講座は、「外国人共生講座(ベトナム)」(講師:青山友彦)。

ベトナムの歴史や国民性、食文化などの紹介に加え、実際にベトナム人を受け入れる際の注意やポイントなどを解説しました。
参加企業様からは、送り出し機関や登録支援機関など、受入フローに関するご質問をいただきました。

Q:以前、技能実習(企業単独型)を雇用していた。現在は母国にいるが、特定技能として再度呼びたい。ベトナム側での推薦状の取得について、過去は企業単独型だったため、送り出し機関がなかったが、特定技能の場合は送り出し機関を通さないと取得できないか
→特定技能の場合、送り出し機関経由でDOLABより推薦状の取得が必要。企業単独型の実習生の場合も同様。

Q:送り出し機関というのはベトナムをはじめ外国側の機関と理解しているが、一方で特定技能については日本国内側に登録支援機関という機関がある。送り出し機関との交渉を全て日本側の登録支援機関に賄っていただくわけにはいかないか
→ベトナムからの海外招聘の場合、現地推薦状の発行に際して、送り出し機関との契約が必要。送り出し機関との契約には下記のパターンがある。

①受入企業⇔送り出し機関
②登録支援機関⇔送り出し機関

ご質問の通り、②の場合は送り出し機関と登録支援機関が直接やり取りを行うことが可能。ただ、個社毎に運用は異なる。

セミナー動画や資料、質問への回答等、「外国人共生講座見逃し配信・資料」からご覧いただけます。
参加できなかった方は、ぜひご覧ください。

講座に関しては、次のような感想をいただいています。

  • 文化背景等、端的で分かりやすかった
  • 歴史、地理、言語、様々な観点から理解しやすい説明だった
  • 基本的なことが再確認できた
  • 大まかなベトナムのことを知れて良かった
  • コミュニケーションの取り方や今後の業務の教え方をどうするか決めかねていたので、その点に関して非常に有効な情報を聞くことができた

ベトナム人共生講座のほか、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパール、タイに関する講座を開催します!
上記の国からの特定技能外国人の受入れを検討中の企業様は、ぜひチェックしてください。

今後も、皆さまのニーズに応じてお役に立つセミナーを開催してまいります!
【オンライン無料講座】外国人従業員となかなかうまくいかない! どうする??

建設業界で特定技能外国人の受入れをお考えの企業様は、JACにお気軽にご相談ください!

※この記事は2023年10月の情報で作成しています。

私が記事を書きました!

一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任

加納 素子

かのう もとこ

愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。