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フィリピンの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。
フィリピンはセブ島などの有名な観光地もある、日本でも人気の高い国です。
また、スーパーではフィリピン産バナナやパイナップルを見かけない日はないという、日常的にもなじみの深い国ですよね。
外国人労働者が増えている日本では、フィリピン人の労働者も増加しています。
職場でのコミュニケーションを円滑にするためには、まずは相手の国のことを知ることが大切です。
今回は、フィリピンの国民性について詳しく解説します。
国の特徴やコミュニケーションのコツも交えながらご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フィリピンはどのような国?
フィリピンは東南アジアにある国で、7,000を超える島々からなります。
国土面積は日本よりやや小さい、約30万km2。
人口は約1億904万人(2020年フィリピン国勢調査)です。
2010年の調査では約9,234万人だったことから、人口が増えていることがわかります。
首都マニラは、江戸時代、日本が鎖国体制となる前に貿易が盛んだったことから日本人町がつくられ、多くの日本人が住んでいたなど、歴史的にも日本との縁が深い国です。
民族はマレー系が主体で、ASEAN唯一のキリスト教国としても知られています。
国民の約80%がカトリック、その他のキリスト教が10%、イスラム教はミンダナオ島を中心に5%で、キリスト教徒が圧倒的に占めていることがわかります。
公用語はフィリピン語および英語ですが、幼少期から英語を学ぶため、英語を使う人が多いです。
ただし、ルソン島ではタガログ語、ビサヤ諸島・ミンダナオ島ではビサヤ語も使われており、スペインの植民地だったことから一部スペイン語も混在しています。
フィリピンの主要な行事は「犠牲祭」と「クリスマス」。
犠牲祭はイスラム教のお祭り・祝日で6月(日程は毎年直前に決定される)に行われ、
クリスマスは日本と同じく12月に祝います。
クリスマスは特にフィリピンの人が大切にするイベントで、日本との違いは9月頃からクリスマス準備を始めるところ。
世界一クリスマス期間が長い国といわれています。
海外で働く人々もクリスマスに合わせて一斉に帰国することが多いので、職場にフィリピンのスタッフがいる場合は、一時帰国支援が必要になる可能性もあります。
フィリピンの人の性格や価値観は?国民性を知ろう
フィリピンの人はほとんど英語を話せるため、海外に出て働くことに抵抗が少なく、実際に働いている人も多いです。
また、明るくほがらかでフレンドリーな性格の人が多く、陽気で社交的な人柄であることも、海外で働くことに一役買っているでしょう。
さらに、海外で働く人が多いことには、フィリピンの人が家族をとても大切にすることも理由の一つと考えられています。
自分を犠牲にしても家族を養うという意識が強いので、フィリピン国内の仕事で賃金が少ない場合は、海外へ出て働くことも当然と考える人が多いようです。
そのため、家族と過ごす時間を最も大切にするので、家族に何かあった場合には仕事を休んだり、遅刻したりすることは珍しくありません。
職場にフィリピン人スタッフがいる場合は、欠勤や遅刻の理由が家族である可能性もあると頭に置いておきましょう。
ただし、フィリピンの人はカレンダーや時計をほとんど見ない人もいるほど、時間を気にしないという一面も。
時間にルーズと感じる場合には、積極的に声をかけたり、タスク管理をしたりするなどのサポートが必要かもしれません。
とはいえ、フィリピンの人は勤勉で我慢強く、ホスピタリティにあふれているという国民性もあります。
親日家も多いため、仕事をする上ではプラスになることも多いはずです。
フィリピン以外の各国の国民性については、以下のコラムでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
タイの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ネパールの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ミャンマーの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ベトナムの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
インドネシアの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
フィリピン出身のスタッフとうまく仕事を進めるために
フィリピン出身のスタッフとコミュニケーションを取る際には、意識したいことが5つあります。
①注意をする際は他人がいない場所で
1つ目は、注意や指導は、複数人の前でしないことです。
フィリピンの人は、人前で注意や指導を受けると、屈辱を受けたという気持ちを強く持ってしまいます。
注意や指導をする際は、別室で個別に行いましょう。
②注意・指導は優しく
2つ目は、注意・指導の仕方です。
激しく叱責するような口調で指導してしまうと、フィリピンの人の気持ちを大きく損ねてしまう原因になります。
優しい口調で、根気強く対応することが求められます。
③わかりやすい日本語で話す
3つ目は、わかりやすい日本語を使うことです。
フィリピン出身の人に限りませんが、日本語の専門用語や方言は非常に難しいです。
また、略語も難しいので避けましょう。
言い換え方などを、社員間でも共有しておけると良いですね。
英単語だと思って使っていたら全然通じず和製英語だった、というケースもあります。
和製英語には、次のようなものがあります。
- ノートパソコン→ラップトップ
- タッチパネル→タッチスクリーン
- コンセント→アウトレット
意外と多く存在しているので確認しておきましょう。
④英語が話せることを当然だと思わない
4つ目は、英語が話せない人がいることも知っておくということです。
フィリピンの人は英語を話せる人が多いですが、中には不得意な人もいます。
もし、英語を使う業務に採用したいと考えている場合は、面接で英語のレベルを確認することをおすすめします。
⑤仕事量や業務時間に注意する
5つ目は、業務時間や残業になるほどの仕事量についてです。
フィリピンの人は家族との時間を優先するため、残業はほとんどしません。
そのため、残業が多い日本の仕事には、疑問を抱くフィリピン人も多いです。
繁忙期やトラブルなど、どうしても残業が発生することがあることを説明し理解してもらうことも大切ですが、会社全体の業務時間や仕事量の見直しも進めましょう。
まとめ:明るくほがらかで社交的なフィリピン人の国民性。家族との時間は最優先に
フィリピンは年々人口が増えている東南アジアの国で、日本とも古くから縁があります。
親日家も多く、明るくほがらかな国民性で、一緒に仕事を進めやすいと感じることも多いでしょう。
ASEAN唯一のキリスト教国家で、クリスマスは9月から準備を始めるほど重要なイベントです。
海外へ働きに出ている人も、クリスマスには一斉帰国をすることが多いので、一時帰国支援が必要になることもあります。
コミュニケーションを円滑にするためには、フィリピンの人の国民性を知っておくことが大切です。
家族第一という考えが強いため、日本人の残業の多さには違和感を覚える可能性も高いです。
必要な残業についてはしっかりと説明をしつつも、会社全体での業務時間や仕事量の見直しも進めましょう。
フィリピン人の雇用形態としては、特定技能があります。
一定の技能や日本語能力を持っていることが必要条件の在留資格なので、即戦力が欲しい企業様はぜひご検討ください。
日本人向け外国人共生講座「フィリピン従業員となかなかうまくいかない! どうする??」を開催!
JACでは「外国人スタッフと円滑に仕事を進めるために理解しよう!」を目的に「外国人共生講座」を開催しています。
第2回目となる2023年8月24日の外国人共生講座は、「外国人共生講座(フィリピン)」(講師:今井大地)。
フィリピンは、OFWレーン(空港の、海外への出稼ぎ労働者が入出国するためのレーン)を設けるなど、海外で働く国民を尊重している国の一つ。
フィリピン人を外国人労働者として受け入れる機会も多いでしょう。
講座では、フィリピンの歴史や国民性、宗教や主要なイベント、受入れ時に役立つタガログ語などの紹介に加え、実際にフィリピン人を受け入れる際の注意やポイントなどを解説しました。
参加企業様からは、日本に来るフィリピン人の日本語学習や同行する家族などに関するご質問などを多くいただきました。
Q:学校での授業は英語か
→公文書等は英語の為、基本的には英語で授業を行う。ただ、フィリピン語も国語として授業で実施している為、両言語の授業を実施している。
Q:国外に「出稼ぎ」に出られる方が多いとのことだが、日本には家族で来られる方が多いように思う。実際はどうか
→在留資格特定技能1号だと、家族は来ることが出来ないが、技人国や高度人材のビザだと家族滞在も可能なので、家族も呼んで一緒に生活している方もたくさんいます。
Q:円安で、日本への希望者が減っているとも聞くが、実際はどうか
→最低賃金が日本よりも高い他国を希望している方も多いのも実態。ただ、そのような国は必要な知識、スキル、経験が求められるので、まずは日本で知識や経験を蓄えて他国に出稼ぎをしている方もいる。そういう意味ではまだまだ日本も人気はある。
Q:フィリピンの方には、日本でどのような業種が人気か
→世界でも求められるようなスキルである溶接が人気、フィリピン国内では造船業が盛んなため、人気職種となっている。
セミナー動画や資料、質問への回答等、「外国人共生講座見逃し配信・資料」からご覧いただけます。
参加できなかった方は、ぜひご覧ください。
講座に関しては、次のような感想をいただいています。
- 資料も見やすく、説明も分かり易かったため、短時間でフィリピンの概要を知ることができた
- 受け入れまでのフローがわかりやすくて良かった
- 地理的、歴史的観点からの説明が聴きやすかった
- 国の地域性や性格の傾向などとても興味深かった
- 短時間の講習のため難しいが、外国人を採用する事で起こるトラブル(事例など)についてもう少し詳しく聞いてみたい
フィリピン人共生講座のほか、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、ネパール、タイに関する講座を開催します!
上記の国からの特定技能外国人の受入れを検討中の企業様は、ぜひチェックしてください。
今後も、皆さまのニーズに応じてお役に立つセミナーを開催してまいります!
【オンライン無料講座】外国人従業員となかなかうまくいかない! どうする??
建設業界で特定技能外国人の受入れをお考えの企業様は、JACにお気軽にご相談ください!
※この記事は2023年9月の情報で作成しています。
私が記事を書きました!
一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任
加納 素子
かのう もとこ
愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。