制度のポイント解説

2023/01/11

特定技能とは?外国人を受け入れるまでの流れや支援機関まで詳しく解説

工場で作業している作業員

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

日本全体で、少子高齢化による人手不足が続いており、今後も働き手不足は深刻化すると考えられています。
そのようななか、グローバル化の流れも受け、外国人労働者の受入れを考えていらっしゃる企業も多いでしょう。

また、海外の知見を取り入れられたり、海外とのコミュニケーションの窓口になりうる人材を見つけられるという点においても、外国人の雇用はメリットが大きいです。

ただ、外国人を受け入れるには在留資格などの条件が難しかったり、制度が複雑だったりするのも事実。

今回は、2019年に制度化された「特定技能」について解説します。
特定技能の種類や対象分野、受入れの流れなど、外国人を受け入れるために知っておきたい基本情報を確認していきましょう。

外国人の在留資格「特定技能」とは?1号・2号についても解説

特定技能とは、2019年4月に創設された新しい在留資格のこと。
日本国内で労働者不足が深刻化している産業分野において、外国人の就労を解禁するものです。

外国人が日本に在留するためには、在留目的などを地方出入国在留管理官署に申請し、在留資格の認定を受ける必要があります。
在留資格にはいくつか種類があり、そのうちのひとつとして新設されたのが「特定技能」です。

特定技能には「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類がある

在留資格である「特定技能」には、特定技能1号・特定技能2号の2種類があります。
それぞれ違いがありますので、注意が必要です。

  特定技能1号 特定技能2号
資格の概要 特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向け 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け
在留期間 1年、6か月または4か月ごとの更新。通算で上限5年まで 3年、1年または6か月ごとの更新
技能水準 試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した外国人は試験等免除) 試験等で確認
日本語能力水準 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した外国人は試験等免除) 試験等での確認は不要
家族の帯同 基本的に認められない 要件を満たせば可能(配偶者、子)
受入機関または登録支援機関による支援 対象 対象外

入国時の在留資格を特定技能で申請する場合、「18歳以上」という条件があります。
ただし、すでに日本に在留している場合は、在留資格変更の許可※がされる時点の年齢で判断されます。
※特定技能の在留カードが発行されるタイミング

特定技能1号・2号ともに学歴の制限はありません。

また、特定技能1号は特別な育成や訓練の必要がなく一定の業務をこなせる水準であることが必要ですが、支援機関によるサポートを受けながら仕事に従事できます。
対して特定技能2号は、従事する分野に対しての熟練した技能をあらかじめ持っておくことが条件です。

特定技能2号は業務の指導を受けなくてもスムーズに仕事ができるといった高いレベルが要求されますが、要件を満たせば家族の帯同が可能であったり、在留期間の上限がないなどのメリットがあります。

特定技能の対象業種は?

特定技能の対象となる産業分野は以下の業種です。

介護/ビルクリーニング/素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業/
自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業/建設/造船・舶用工業

※建設、造船・舶用工業のみ特定技能2号の受入れ可
※2022年4月の閣議決定および同年5月の関係省令施行により、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の3分野は「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」に一本化されました

産業分野別の従事可能な業種については出入国在留管理庁のホームページから確認ができます。

中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきているため、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築するために特定技能制度が創設されました。

技能実習と特定技能の違いも確認!

特定技能と間違えられやすいのが「技能実習」です。
特定技能も技能実習も、日本に滞在するのに必要な在留資格ですが、それぞれ目的が異なります。

特定技能は、日本の「労働力不足を補うため」に日本で働くことを目的にしていますが、技能実習は、現場での実習を通じて日本の技術を習得し母国で広めるといった「国際貢献」を目的にしています。

また、特定技能は国籍の定めがありませんが、技能実習は国家間で取り決めを行った特定の国からしか呼ぶことができません。
※特定技能の例外として、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域(イラン・イスラム共和国)のみ認められていません

なお、技能実習2号を良好に修了していれば、特定技能に在留資格を変更することもできます。

特定技能外国人を受け入れる流れと資格の取得方法について

特定技能外国人を受け入れるまでの流れは、以下のようになります。

  • 受入機関である企業等が求人募集→特定技能外国人が求人応募
  • 受入機関と特定技能外国人との間で、特定技能雇用契約を締結
  • 支援委託の場合は、登録支援機関が支援委託契約を締結
  • 受入機関と登録支援機関が、1号特定技能支援計画を策定
  • 特定技能外国人と企業が、入管当局へ在留資格認定・変更の申請
  • 入管当局で審査後、受入機関で稼働開始(支援委託の場合、受入機関での稼働開始後、外国人支援開始)

ノートで資格勉強しようとしている人の画像

外国人が「特定技能」資格を取得する方法は?

特定技能外国人として求人応募するためには、特定技能を取得する必要があります。
特定技能を取得する方法は「特定技能評価試験と日本語能力試験の合格」または「技能実習2号の修了」です。

それぞれについて解説します。

①特定技能評価試験と日本語能力試験の合格

特定技能評価試験とは、特定技能取得後に従事できる業種について、その技能レベルを評価する試験です。

試験の開催場所、試験日程は業種ごとに異なります。
合格難易度も異なっており、学科試験・実技試験 技能試験の両方を行う業種もあるなど、試験の方法や内容もさまざまです。

受験資格は以下の通りです。

  • 満17歳以上
  • 法務大臣が告示で定める退去強制令書の執行へ協力する外国政府あるいは地域の権限がある機関が発行元の旅券を所持している

日本語能力試験は「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力検定」で判断されます。
対象業種において、基本的な日本語が理解できるN4レベルが想定されています。

②技能実習2号の終了

技能実習を2年10カ月以上、良好に修了した外国人が在留資格「特定技能」への変更を希望することができます。
この場合、必要な技能水準と日本語能力水準は満たしているものと判断され、技能試験や日本語試験は免除されます。

なお、「良好に修了」は以下の2つの項目を満たす必要があります。

  • 技能実習を2年10月以上修了している
  • 技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験に合格している、もしくは技能実習生に関する評価調書がある

特定技能所属機関・登録支援機関についても理解を

特定技能所属機関とは、特定技能外国人を受け入れ、支援する企業や個人事業主などのことです。

受入機関である特定技能所属機関は、外国人を受け入れるための以下の条件を満たす必要があります。

  • 外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が、報酬額が日本人と同水準以上であるなど適切であること
  • 5年以内に出入国・労働法令違反がないなど、受入機関自体が適切であること
  • 外国人が理解可能な言語で支援できるなどの支援体制が整っていること
  • 特定技能1号の外国人を支援する計画が適切であること

特定技能所属機関は、特定技能1号の外国人に支援を行う義務があります。

支援内容には、入国前の生活ガイダンスの提供や入国時の空港までの送迎、住宅確保の支援、預貯金口座の開設や携帯電話の利用など生活オリエンテーションの実施、定期的な面談などがあります。
日本における生活全般から仕事関係まで、外国人が日本で暮らして仕事をするのに困らないようサポートをしていきます。

ただ、一企業がこのような支援体制をつくるのは難しいことも多いでしょう。
そのような場合、これらの支援は「登録支援機関」に委託することもできます。

登録支援機関は受入機関からの委託を受け、特定技能1号の外国人を支援するための計画を立てて支援を実施します。

登録支援機関は、法務省が発表している登録支援機関リストから探したり、知り合いの業者から紹介してもらって見つけることができます。

まとめ:特定技能とは外国人の在留資格の一種である

特定技能とは、外国人の在留資格のひとつです。
日本では労働力不足を補うため、2019年4月に創設されました。

特定技能には1号・2号の2種類があり、高い専門性と日本語能力、日本で暮らすための知識などが求められます。

特定技能は技能実習と間違えられやすいですが、目的が異なります。
通常は特定技能を取得するために試験が必要ですが、技能実習2号を修了することで特定技能に変更できるケースもあるため、理解しておきましょう。

特定技能外国人を受け入れるためには、受入れ側のサポート体制が必要です。
企業内でのサポートが難しいときには、支援は委託することもできます。

建設業界で特定技能外国人を受け入れるための企業サポートは、JACへお気軽にご相談ください!
特定技能外国人のご紹介も行っております。

私が記事を書きました!

加納 素子

かのう もとこ

一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任

愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。