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日本人従業員向け「外国人共生講座2025」やさしい日本語講座(応用編①)開催レポート
JACでは、2025年5月から全6回の日本人従業員向け外国人共生講座を開催しています。
前回の「やさしい日本語講座」の「基礎編」に続いて、2025年9月11日(木)に「応用編①」をオンラインで開催しました。
講師は、(株)BREXA CrossBorderの白石氏が務めました。
「応用編①」では、「伝わりやすい指示の出し方」をテーマに、実践ワークを交えながら講座が進みました。
まずは「基礎編」の復習から!
前回の「基礎編」で、やさしい日本語を作るうえで大事な「はさみの法則」を勉強しました。
はっきり さいごまで みじかく切って 話す
重要なポイントをいくつか紹介します。
- カタカナ語やオノマトペ、男性言葉、方言、略語がわかりにくいから使わない
- 「です」「ます」「ください」といった日本語の教科書と同じ表現が外国人にわかりやすい
- 必要のない情報は削除して、文をシンプルにする
専門用語は「概念」から教える
N5レベルの日本語学習者にとって、私たちが日常的に使う「専門用語」(例:スライドのピンク)は教科書に載っていません。
専門用語を使わずに言い換えている会社も多いですが、禁止の言葉は特に危険につながるため、統一して教える必要があります。
教える際は「言葉の概念」「目的」をセットで伝え、時間をかけて理解を深めることが大切です。
なぜ自分たちが日本語を変える必要があるのか?
日本人従業員の中には、普段使っている日本語ではない言葉を使うことに不安や抵抗を覚える人もいるでしょう。
しかし、日本人の意識を変えていくことも必要です。
まずは意味の通じる会話をしてあげることで、外国人が日本語に入りやすくして、日本語が通じたという成功体験を積ませてあげる。
そして段階的に普通の日本語に変えていけば、自然な会話が身につきます。
指示は「5つのポイント」で整理する
「やさしい日本語」の目的のひとつは、安全に確実に仕事をしてもらうこと。
現場でのトラブルを防ぐ指示の出し方には、明確な型があります。
- 情報が整理されている指示
- 結論が最初に提示されている指示
- 作業の順番がはっきりとしている指示
- 誰が何をするか、分かりやすい指示
- 曖昧な表現がなく、明確な指示
実践ワーク例
「誰が何をするか、分かりやすい指示」の出し方の例題です。
まとめ:私たちから始める「共生」のカタチ
日本語がわからないゆえの「指示通りにしない」という誤解は、人間関係をギクシャクさせ、最悪の場合、外国人社員を社会から孤立させてしまいます。
それを回避できるのが「やさしい日本語」でのコミュニケーションです。
外国人に「会社の人の日本語、分かりやすいな〜」と思ってもらえること。これが、共に働く一員としてお互いを理解し、成果を出すための最初の、そして最も重要な一歩です。
ゲストコーナー:ゲストから学ぶ!来日前の教育と成功体験
インドネシア人のシャフリルさんをゲストに招いて、送り出し前の日本語教育について貴重なお話をいただきました。
シャフリルさんは、インドネシア送り出し機関の日本語トレーニングの副部門長です。
来日前にどのような内容の授業を行っているのか、紹介がありました。
日本語の教育はもちろんですが、日本での生活のルールや公共マナーなどの異文化教育もカリキュラムに取り入れていて、問題発生やカルチャーショックを軽減できるように配慮しているとのこと。「報連相」の仕方や「ごみの分別」まで、インドネシアと違うところをしっかり伝えていただいているようです。
また、ほとんどが高校卒業生なので、学生と社会人の違いなど社会人教育も行っているとのこと。
どこで仕事をするにしても、学生気分ではトラブルになりやすいので、大事な教育だと思います。
たくさんのことを教えたいけど短い教育期間なので、優先度をつけて教育をされているようです。
来日後の学習モチベーションの維持について白石さんから質問がありました。長期間の目標、例えば来日から帰国までN3を取得する目標を作ってもらったり、勉強したN4レベルでは生活や仕事に十分ではないことも伝えて、日本でももっと勉強するように指導しているとのこと。
シャフリルさんの説明を聞いて、送り出し機関の理解もできた講座でした。
あと2回、JACの外国人共生講座があります。
見逃した方は、アーカイブをご覧くださいね。
2025年度 日本人従業員向け「外国人共生講座」
お問合せ:(株)BREXA CrossBorder 担当:三浦
e-mail:
Tel:
090-3150-0562
本記事は、2025年9月11日(木)に開催した日本人従業員向け「外国人共生講座2025」の「やさしい日本語講座 応用編①」の開催レポートです。
セミナー動画
セミナー資料
セミナー資料_やさしい日本語講座(1) 基礎編250911.pdf
Q&A_やさしい日本語講座(1) 基礎編250911.pdf
私が記事を書きました!

一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任
加納 素子
かのう もとこ
愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。





