制度のポイント解説

2022/03/28

特定技能の「きほんのき」7ステップをわかりやすく解説

そもそも「特定技能」って、なーに?

特定技能とは在留資格の名前のことです。
「永住者」や「外交」「企業内転勤」「留学」「技能実習」などと呼ばれる在留資格のうちのひとつです。

人材を確保することが困難な状況にある分野で、外国人を労働力として受け入れることができる在留資格です。建設分野のほかに、農業・漁業・介護など14分野で受け入れられています。

「実際に建設会社が特定技能を受け入れるために、まず何をしたらいいの?」

建設分野で特定技能外国人を受け入れるためには、JACを構成する正会員団体もしくはJACの賛助会員である必要があります。

それは、特定技能を利用するフリーライダーやアウトサイダーを許さず、受入企業の皆さまが適正な市場で競争し、しっかりとした処遇で安定的な事業を行えるようにするためです。

外国人を安い賃金で雇い、入札価格を下げて仕事をとろうとする業者を元請けや専門工事業団体は受け入れません。
外国人だけではなく、日本人の職人さんの処遇改善を業界全体で取り組んでいくためにJACは設立されました。

01. CCUSの登録

建設分野で特定技能外国人を受入れるためには、「建設キャリアアップシステム」に登録する必要があります。
建設キャリアアップシステムは、建設技能者の資格、現場の就業履歴、社会保険の加入状況等を見える化することで、技能と経験に応じた処遇を実現するために導入されました。

手続きとしては、「建設キャリアアップシステム事業所番号(事業所ID)」を取得してください。
その後、「建設キャリアアップ技能者ID」を取得してください。

02. 特定技能雇用契約に係る重要事項説明

受入企業は必ず「雇用契約に係る重要事項事前説明書」を所定の書式をつかって、報酬予定額や業務内容等について、外国人が十分に理解できる言語(だいたい母国語です)で説明して、理解したことを確認する必要があります。

企業もこの書類をしっかりと理解せず第三者の業者に作成を依頼し、その書類に外国人もよくわからずサインし、雇用開始後に給与問題でもめるケースがあります。これではこの書類の意味がありません。

役所に提出する書類は難しいものもありますが、この重要事項事前説明書は大変わかりやすい表記になっています。
必ず、受入企業自身が作成し、外国人にしっかりと説明しましょう。これから最大5年間、自分の会社の戦力となってくれる大切な人材です。 

03. 特定技能雇用契約

さて、やっと雇用契約を結ぶ段階になりました。
契約のポイントは、以下の3つです。

①同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬
②月給制であること
③昇給があること

このあとの手続きである地方整備局での審査時に、「同じ会社で働く同じレベルの日本人の賃金」「その職種における県内の賃金水準」「全国のその職種における賃金水準」と比較して審査されます。
そこで、賃金が低いと判断された場合には、引き上げるように指導されます。
※この場合は、もう一度重要事項説明と雇用契約を結び直す必要がありますので、ご注意ください!

雇用契約書の書式は法務省のWebサイトにありますので、ダウンロードしてご利用ください。
これから、最大5年間一緒に働く仲間との契約です。お互いにしっかりと合意して、契約を結んでください。
後から、「あの時(契約時)は言えなかったけど、友達より給料が安いから友達の会社に行きたいです」と言う外国人の声を聞いたことがあります。

やっと手に入れた人材の流出にならないようにしましょう。

04. 地方整備局への受入計画の申請

これが、他の分野にはない、建設業独自の取り組みであり、国の認定を受ける申請です。

受入企業は、①日本人と同等額以上 ②月給制 ③昇給ありの大原則を金額を提示して国(地方整備局)に届け出ます。
そして、この計画に沿って外国人を受け入れているかを、巡回指導でJACがチェックします。

この申請は、受入企業自体が行う必要があります。
巡回指導の時に指摘すると、「任せていたのでわかりません」という声が聞かれます。

たとえ、第三者に任せていたとしても、企業の責任となります。
そのため、任せっきりにしないで、受入企業の担当者がしっかりとどんなことを国に届け出たのか確認できるようにしましょう。

届け出る「受入計画」は、報酬額、手当額、技能向上のプランなどです。
すべてオンラインでの届け出です。企業のメールアドレスを使用し、仮登録から始めてください。

05. 1号特定技能外国人支援計画の作成

建設分野だけではなく、1号特定技能外国人を受け入れる企業は、職業生活上、日常生活上、または社会生活上の支援を実施する必要があります。そのため、受入企業は「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、地方出入国在留管理局へ提出することになっています。
この支援は、第三者へ委託することは可能ですが、責任は受入企業にあります。ですので、支援内容をきちんと把握しましょう。

■1号特定技能外国人支援計画の詳細
https://jac-skill.or.jp/system/support.php

■書式は法務省のWebサイトから
http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/10_00020.html

06. 地方出入国在留管理局への申請

これが受入前の最後の関門です。簡単に言えば、在留カードを交付してもらう手続きです。
もしもここでダメだった場合、「不交付通知書」が届きます。
手続きの詳細はこちらでご確認ください。

■すでに日本にいる外国人を採用する場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html

■海外にいる外国人を採用する場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1.html

また、ベトナムの方を採用する場合は、手続きが流動的ですので逐一ご確認をお願いいたします。
■出入国在留管理庁(ベトナムに関して)
http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri06_00109.html

07. 受入報告

さて、在留カードが交付されて、外国人が会社で仕事をはじめました。

やれやれ...と思っているところですが、国土交通省地方整備局に「外国人を受け入れましたよ」という報告をしましょう。
この手続きは、国土交通省の「外国人就労管理システム」にログインし、働きはじめた外国人を選択して、報告ボタンを押すものです。その際に、在留カード番号を入力します。

この時、技能実習の時の番号など過去の在留カード番号を入力しているケースがよくあります。
在留カードが有効かどうかはすぐにわかってしまうので、お気をつけください。
JACから、電話して確認させていただく場合もあります。

■外国人就労管理システム
https://gaikokujin-shuro.keg.jp/gjsk_1.0.0/portal

編集後記

建設業界は昔から「ひとを大切にする」業界です。

外国人も日本人も一緒に働く仲間として迎え、スキルアップしてもらい、一人前の職人に育てることで企業の競争力はアップします。
雇い入れたらあとは個人の努力ではなく、会社としてもバックアップすることが経営です。
人手が足りないから人を採用するのですが、採用は設備投資と同じく、会社経営の根幹です。
やみくもに採用することはおすすめしません。

一人前のもしかしたら三人前の職人を抱えられるかどうかは、すべてその会社で働く人との信頼にかかっています。
上司、部下、友人、同僚、取引先や同業者との関係・・・。
建設業界はこれからも「ひとを大切にする」業界であってほしいと思います。

どうか仲間を大切に...

私が記事を書きました!

加納 素子

かのう もとこ

一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) 管理部(兼)調査研究部 主任

愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。