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JACマガジン

外国人労働者との働きかた

2026/08/28

【調査レポート】アンケートから見る!特定技能外国人受入れ準備のリアル

私が記事を書きました!

片山 祥平

(一社)建設技能人材機構(JAC)

広報部 / 管理部

片山 祥平

(かたやま しょうへい)

画像:特定技能外国人受入れ準備の実態

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の片山です。

建設業における人手不足が深刻化する中、その対策の一つとして、特定技能外国人の受入れを検討している企業様も多いのではないでしょうか。
しかし、「何から準備すれば良いかわからない」「受け入れてからのトラブルが心配」という声も少なくありません。

今回、すでに特定技能外国人を受け入れている197の建設企業様にアンケートを実施しました。
受入れ前の社内準備から採用時の判断基準、配属後の初期支援まで、実際の現場の声をまとめました。

これから受入れを検討している企業様にとって、リアルな参考情報となれば幸いです。

Q. 特定技能外国人を受け入れるにあたり、社内でどのような準備を行いましたか。

※複数回答可

画像:アンケート「Q. 特定技能外国人を受け入れるにあたり、社内でどのような準備を行いましたか。」

アンケート結果では、「受入れ体制の整備」「日本語能力の事前確認」「社員向け研修の実施」の3項目について回答を得ました。

具体的な取組例:受入れ体制の整備

特定技能外国人の受入れ準備としては、「受入れ体制の整備」を挙げた企業様が多くありました。
特定技能外国人の生活や仕事の基盤の提供に力を入れている様子が伺えます。

具体的なサポート内容としては、以下のような住居や業務、福利厚生に関するサポートが挙げられました。

【住居・生活に関するサポート】

  • マンションや寮の確保、不動産の購入など特定技能外国人の住居の確保
  • 家電、日用品、寝具、通勤用自転車など、生活に関する備品の購入
  • 全室へのWi-Fi設備導入

【業務に関するサポート体制】

  • 支援担当者の任命
  • サポート専門部署(外国人社員支援ワーキンググループ)の設置
  • 同国の外国人社員の配置

【福利厚生やキャリア支援】

  • 特定技能2号を見据えた「職長手当」の新設
  • 有給休暇の完全消化の促進
  • 運転免許取得の支援
  • 現場で必要な道具一式(大工道具、作業服など)の支給

具体的な取組例:日本語能力の事前確認

言語の壁によるトラブルを防ぐために「日本語能力の事前確認」に力を入れたという企業様もありました。
特定技能の場合、日本語能力試験でN4以上の日本語力が求められますが、実際のコミュニケーションレベルはしっかりと対話をしないと確認が難しいでしょう。

具体的な取組みとしては、以下のような採用・移行時の確認や教育支援準備などが挙げられました。

【採用・移行時の確認】

  • 日本語能力(N4、N5レベル)や現場の安全指示の理解度の確認
  • 日本語のやり取りを通じた、仕事への意気込みや意思疎通の確認

【継続的な教育支援】

  • 外部講師による日本語勉強会の開催準備
  • スマホで学べる日本語教室や学習用アプリの活用準備
  • 入国前の学習進捗に関する送り出し機関との連携

具体的な取組例:社内向けの事前研修・理解促進

受け入れる企業側の日本人社員への教育や、社内全体の理解促進に関する取組みを行なったという企業様は14%でした。

外国人材がスムーズに職場に馴染めるかどうかは、受け入れる側の理解と対応にも大きく左右されます。
文化や習慣の違いを事前に共有しておくことで、現場でのトラブルや誤解を未然に防ぐことができるでしょう。

具体的には、以下のような取組みが挙げられました。

【意識改革】

  • 文化や風習の違い、言葉が通じないことを前提とした「丁寧な説明方法」の指導
  • 登録支援機関(組合)による、受入れ後の社員の対応に関する講習の実施

【コミュニケーションの活性化】

  • 仕事の様子や働き方のイメージをWebサイトやSNSで共有
  • スポーツ交流などを通じた社員同士の親睦会の実施準備

【制度的な理解】

  • 「技能実習」から「特定技能」への役割の変化に関する理解
  • 結婚や帰省に伴う休暇についての社内理解

具体的な取組例:その他

技能実習からそのまま特定技能へ移行するケースでは、すでに生活基盤や職場環境が整っていることから、特別な準備は行わなかったという企業様も多いようです。

ただし、移行にあたって「立場の変化」をしっかり伝えることを重視したとの回答も見られました。
技能実習は「学び」の場であるのに対し、特定技能は「労働(プロ)」としての就労となります。
この違いを本人に直接説明し、責任感を持って仕事に臨んでもらうよう働きかけるのは、技能実習から特定技能への移行時に欠かせない取組みといえるでしょう。

さらに、特定技能2号(長期就労・家族帯同)への移行を見据え、将来の目標をともに設定するといった、長期的なキャリア支援に取り組んだという回答もありました。
単なる制度移行にとどまらず、本人のモチベーション向上や定着につなげようとする姿勢が伺えます。

Q. 特定技能外国人の採用において、重視したポイントは何ですか。

※複数回答可

画像:アンケート「Q. 特定技能外国人の採用において、重視したポイントは何ですか。」

「性格や適応性」「日本語能力」「技術や持っている資格」の3つの選択肢のうち、多くの企業様が「性格や適応性」を重視しているという結果になりました。
2つ以上の項目を選択している企業様も多く、複数の観点から総合的に判断していることが伺えます。

採用において重視したポイント3つ

アンケートで挙げた各ポイントについて、企業様の声をもとに詳しくお伝えします。

性格や適応性

「真面目さ」「協調性」に加え、「仕事への向上心・積極性」を重視する声が多く見られました。
技能実習期間中から前向きに取り組んできたか、特定技能2号を目指して自ら勉強しているかなど、現時点のスキルだけでなく成長意欲そのものを評価のポイントとしている企業様が多いようです。

日本語能力

「通訳なしでの会話」を目安としている回答が多いです。
安全管理や作業効率の観点から、現場指示を正確に理解できる能力が求められており、理想としてはN3レベル以上とする回答もありました。

一方で、「日本語能力はあまり期待していない」という声もあり、N3を理想とする企業様と、流暢さよりも適応力を重視する企業様とで、基準に差があることも読み取れます。

技術や持っている資格

技能実習から移行するケースが多いこともあり、即戦力としての経験(ボード貼り、重機、足場など)を評価ポイントとする企業様が多い傾向にあります。

求められる資格・スキルは業種によって異なり、「足場特別教育」「玉掛技能講習」「重機資格」などを明示的に確認しているケースも見られました。

なお、「技術は持っていても人によってレベルが違う」とした上で、入社後に自社基準に合わせて指導する前提で採用している企業様もありました。
資格や経験はあくまでスタートラインの確認として位置づけられているともいえます。

採用時に見極めるためのポイント

単なる面接だけでなく、実習期間中の評価や独自のテストを用いて、多角的に本人を見極めようと取り組んでいる例が見られました。
具体的には、以下のような回答がありました。

【技能実習期間の「実績」を評価】

  • 配属されていた現場の所長や職長から評価を聞き取り、判断材料にする
  • 寝坊や悪意のある行動がなかったかなど、技能実習の5年間を問題なく終えた「信頼」をベースに採用する
  • 実習中に感じた「良かったこと」「困ったこと」を話してもらい、思考の深さや経験値を測る

【スキルチェック】

  • 完璧な日本語でなくても、文脈を読み取る「勘の良さ」や、ヒアリングの適応性が高いかを確認する
  • 日本語の作業日報を声に出して読み、ひらがな入力をさせることで、実務的な言語能力をチェックする
  • 建設業などで数字を扱う場合、母国語で簡単な計算問題を口頭で出し、回答スピードや正確性を確認する

【価値観の確認】

  • 特定技能2号を目指して勉強する意欲があるかを確認する
  • 「家族への思い」や「仕事に対する考え方」を確認する
  • 多少言葉が不自由でも、一生懸命伝えようとする姿勢があるかを見る

採用で重視するポイントは企業様によって少しずつ異なりますが、共通して見えてきたのは、現時点のスキルや語学力だけでなく、前向きな姿勢そのものを評価しているという点です。
「多少言葉が不自由でも、一生懸命伝えようとする姿勢があるか」を重視するという声もあり、コミュニケーションへの積極性を適応力の指標として捉えている企業様もありました。

また、「コミュニケーション能力が高く、仕事にも積極性があり勤勉だった」という実習期間中の評価をもとに特定技能として受け入れたという声もあり、積極性と仕事への取組姿勢には関連性があると感じている企業様もいるようです。

面接時に注目すべきポイントは、こちらでも詳しく解説していますので、これから特定技能外国人の面接を予定しているという方はぜひご覧ください。
特定技能外国人採用の面接でどんな質問をするべき?質問例や注意点をご紹介

Q. 特定技能外国人の受入れを円滑に進めるために、事前に社員に伝えたことはありますか。

※複数回答可

画像:アンケート「Q. 特定技能外国人の受入れを円滑に進めるために、事前に社員に伝えたことはありますか。」

アンケートの結果、事前に社員へ周知した内容としては「業務内容やルール整理」が71%で最多でした。
「コミュニケーション方法」についても半数以上の企業様が事前準備として社内周知していたことがわかりました。

企業様から寄せられた具体的な取組みを紹介します。

業務内容やルール整理(安全管理、仕事の進め方)

安全管理の徹底や作業指示の言い回しの統一、現場ルールの根気強い指導が必要なことを周知している企業が多いようです。
特に建設業 では、事故防止のための事前共有を非常に大切にしています。

「日本語の理解不足が重大な事故に直結する」という危機感を共有し、労働安全衛生法などの遵守が本人の命を守るために不可欠であることを、日本人社員に再教育しているという意見もありました。

コミュニケーション方法

次のような日常的なコミュニケーションの工夫を事前に共有している企業様が多く見られました。

  • やさしい日本語を使うこと
  • 話す速度をゆっくりにすること
  • 伝わったかどうかを何度も確認すること など

やさしい日本語とは、簡単な意味の言葉を使い、漢字を少なくするなど、外国人にわかりやすいように変換した日本語のことです。

やさしい日本語については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひご確認ください。
やさしい日本語とは?例文や生まれた経緯などを紹介

また、言葉遣いやボディタッチの感覚など文化的な違いについても、わかる範囲で社員に伝えているという回答もありました。
定期的に「外国人とのコミュニケーション方法」の講習を実施している企業様もあり、事前の周知にとどまらず継続的な取組みとして定着させているケースも見受けられます。

コミュニケーション方法は、国によっても異なります。
以下の記事では、国民性からコミュニケーションのコツについて解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
タイの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ネパールの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
フィリピンの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ベトナムの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ミャンマーの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
インドネシアの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!

特定技能制度や受入れ目的(企業方針、雇用の意義)

社内への理解促進でも触れましたが、技能実習生との雇用形態の違い(労働者としての認識)を伝える、企業方針や雇用の意義の周知徹底を図っている企業様も多いようです。
特定技能外国人本人が特定技能2号を目指していることをあらかじめ社員に共有しているケースもあります。

また、一度帰国した元実習生が特定技能として戻る際に、スムーズに職場の輪に戻れる雰囲気をつくっておくことを大切にしているという意見もありました。

Q. 特定技能外国人の配属後、どのような初期支援を行いましたか。

※複数回答可

画像:アンケート「Q. 特定技能外国人の配属後、どのような初期支援を行いましたか。」

初期支援としては、多くの企業様が「業務指導」を行なったと回答。
また、30%以上の企業様が「日本の生活習慣に関する説明会」「専任のサポート担当者の配置」を支援として実施しています。

具体的な支援内容についても回答してもらいました。

業務指導

作業説明はもちろんのこと、特定技能としてのステップアップを意識した取組みが目立ちます。
具体的には以下のような取組みが挙がりました。

  • 職長や現場責任者による直接のOJT、作業手順の指導など、現場指導の徹底
  • 動画や母国語の書籍を用いた安全教育・業務説明
  • 資格取得の支援
  • 「特定技能2号」を見据えた、職長・班長としての経験を積ませる取組み
  • 技能実習生への指導役としての自覚を促す教育

日本の生活習慣に関する指導

日本の地域社会でトラブルなく過ごすための具体的なルール指導も行われています。

  • ゴミの分別・収集日、近隣住民への配慮といった地域ルールの説明
  • 買い物、銀行、公共機関への同行

専任のサポート担当者の配置

孤独感や不安を解消するため、相談窓口を明確化している企業様もありました。
サポート担当者は相談を受けるだけでなく、給与体系や立場(権利・義務)に関しても、丁寧な説明を行うなど、積極的に関わる体制を整えているようです。

  • 相談役を固定し、特定の担当者が継続的にサポート
  • 複数の役員等による多角的なサポート
  • 手続きのサポートやオリエンテーションの実施を登録支援機関や専門業者へ委託

その他

技能実習から特定技能への移行も多く、その場合はすでに日本での生活基盤があるため、支援を「簡略化」するか「継続」するかに分かれるようです。

例えば、3年間の実習期間で習得済みとし、追加支援は行わずスムーズな移行を優先したという回答や、生活指導は卒業し、より高度な業務指導や待遇改善に注力したという回答も見られました。

特定技能外国人の受入れ準備の不安はJACに相談を!

一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)では、特定技能外国人の受入れを検討中の企業様や受入企業様が抱える課題を解決し、適正な運用を支援するために、さまざまなサービスをご用意しています。
「オンライン個別相談会」「外国人共生講座」のほか、受入れ後の外国人材の活躍を継続的にサポートする体制も整えています。

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特定技能外国人受入れの手続きの進め方や書類の作成、給与計算の方法など、専門の相談員がマンツーマンで丁寧にお答えします。
「自社の状況に合わせた具体的なアドバイスがほしい」という企業様はぜひご活用ください。

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  • 説明会に出たけれど、もう少し突っ込んで質問したい
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詳細・お申込みは以下の「オンライン個別相談会」をご確認ください。
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外国人共生講座(無料)

JACでは日本人従業員を対象に、外国人材が働きやすく、ともに成長できる環境づくりを支援するための「外国人共生講座」も開催しています。

今回実施したアンケートからもわかるように、多くの企業様が特定技能外国人の受入れ前に日本人従業員に対してもコミュニケーション方法を共有するなどの取組みを行なっています。
外国人材がスムーズに職場へ馴染み、長く活躍してもらうためには、制度の整備だけでなく、受け入れる企業側の理解も大切です。

異文化理解に関する講座ややさしい日本語に関する講座など、外国人材と円滑に業務を進めるためのヒントが満載です。
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講座内容の詳細やお申込み方法については、以下のページよりご確認ください。
【オンライン・無料】日本人従業員向け「外国人共生講座」

特定技能受入支援サービス

特定技能外国人を受け入れてからのさまざまな場面に対応できるよう、次のような幅広いサポートをご用意しています。

  • スキルアップ支援:安全衛生オンライン特別教育、日本語講座 など
  • 地域との共生推進に向けた支援:一時帰国支援、建設キャリアアップシステム手数料支援 など
  • 日常生活サポート:医療通訳サポート、生活トラブルサポート

受入れ後の対応まで見据えて支援していますので、初めての企業様もご安心ください。

詳しいサービス内容については、以下のページよりご確認ください。
特定技能受入支援サービス

まとめ:特定技能外国人の受入準備は重要!迷った時は専門機関に相談を

特定技能外国人の受入れを成功させるためには、受入体制の整備や採用時の見極め、配属後の支援まで、一つひとつの準備を丁寧に積み重ねていく必要があります。

今回のアンケートからは、多くの企業様がスキルや語学力だけでなく、本人の姿勢や適応力を重視しながら、社内全体で受入環境を整えている実態が見えてきました。
特に、現場でのコミュニケーションや日本人社員側の理解促進が、定着や活躍に大きく影響している点は重要なポイントといえるでしょう。

初めての特定技能外国人の受入れでは、不安や疑問を感じる場面も多いと思います。
しかし、事前に必要なポイントを押さえ、自社に合った形で準備を進めていくことで、特定技能外国人が大きな戦力として活躍してくれるはずです!

「何から手をつければ良いのか」「自社のケースではどうすべきか」と迷われたら、JACにお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

片山 祥平

(一社)建設技能人材機構(JAC)

広報部 / 管理部

片山 祥平

(かたやま しょうへい)

福島県出身。
現在、広報担当として業務に取り組んでいます。
広報業務では、建設分野の特定技能外国人を受け入れている企業の先進的な取り組みを取材し、記事の作成および情報発信を行っています。
また、日本で働く外国人労働者のみなさまに、日本の文化の魅力や仕事に対する考え方など、日本ならではの良さをより深く知っていただきたいという想いから、日々情報発信を続けています。

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