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JACマガジン

外国人労働者との働きかた

2026/06/29

外国人が働きやすい環境とは?企業が整えるべき職場づくりのポイント

私が記事を書きました!

加納 素子

(一社)建設技能人材機構(JAC)

調査研究部 主任 / 管理部 / 広報部

加納 素子

(かのう もとこ)

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

近年、外国人を従業員として迎え入れる企業が増えています。

しかし、「せっかく採用したのにすぐに辞めてしまった」「コミュニケーションがうまくいかずミスが続く」といった悩みの声も多く挙がっています。

外国人従業員が言葉や文化の壁を乗り越え、長く活躍し続けるためには、企業側の環境整備が大切です。

今回は、外国人にとって働きやすい環境の特徴、職場の環境づくりのポイントなどを解説します。

外国人が働きやすい環境とは? 働きづらい職場との違い

外国人を従業員として迎え入れるためには、働きやすいと思える労働環境をしっかり整えることが大切です。

働きやすい環境と、働きづらい環境にはそれぞれ特徴があります。
その違いを知り、今の職場環境に改善点がないか考えてみましょう。

外国人従業員が働きやすいと感じる環境の特徴

言語面での不安が少なく、安心してコミュニケーションが取れることに加え、相談しやすい雰囲気があることが重要です。
また、宗教や母国の文化が受け入れられていることで、より働きやすいと感じてもらえます。

次のような環境が整えられている職場は、外国人にとって働きやすいと言えるでしょう。

業務を可視化できている

図解や動画マニュアル、写真付きの指示書が用意されていると、日本語が完璧でなくても安心できます。

また、建設業や製造業などでは、機械操作の警告標識や安全掲示物が多言語で表示されていることも安心につながります。

相談しやすい雰囲気がある

わからないことがあるときに「わからない」と正直に伝えられる環境であることも大切です。
些細なことでも相談できる教育係がいたり、母国語で相談できる窓口があったりと、サポート体制が整っていると良いでしょう。

日本語に自信がないと、なかなか気軽に話しかけられない人も多いです。

宗教や文化への理解がある

礼拝の時間や食事の制限、母国の行事など、宗教や文化に対する配慮があると、「大切にされている」と感じることができます。

例えば、イスラム教徒の従業員であれば、礼拝のための休憩時間の確保やハラール食への対応などが挙げられます。

イスラム教徒の従業員と一緒に働く際に知っておきたいことは、以下の記事でまとめています。
日本企業でイスラム教徒の社員と仕事をする際に知っておきたいこと

外国人従業員が働きづらさを感じやすい環境の特徴

働きづらい職場では、不安やストレスから注意力が散漫になり、重大な事故やミスにつながります。
さらに「この会社ではもう働けない」と感じてしまうと、早期離職や最悪の場合は失踪というリスクを招いてしまいます。

職場に次のような雰囲気や慣習があれば見直しましょう。

指示が曖昧である

「適当に」「空気を読んで」といった曖昧な指示は、外国人にとっては理解が難しいです。
曖昧な指示はミスにつながりやすく、それが原因で自信を失ってしまうこともあります。

声をかけづらい

忙しそうな雰囲気があったり、誰に質問をしてよいかわからなかったりすると、わからないことがわからないままになってしまいます。
また、休憩時間に輪に入れなかったり、会話に参加できなかったりすると、強い孤独感を感じます。

職場以外に頼れる人が少ない外国人従業員も多いため、職場での孤立は精神的なダメージが大きくなりやすいです。

宗教や文化への理解がない

宗教上の礼拝や食事の制限、母国の重要な行事への配慮がないと、働きづらさやストレスを感じやすいです。

また、文化やマナーは国によって大きく異なります。
例えば以下のような違いがあります。

  • 人前で叱られることを屈辱と感じる
  • 頭を触られることをタブーとする など

こうした違いを会社全体で把握できていない環境では、働きづらさを感じてしまうでしょう。

外国人が働きやすい環境の作り方

まずは、すぐに取り組める部分から始めてみましょう。

業務マニュアルを多言語化・視覚化する

文字だけのマニュアルではなく、写真や動画も活用しましょう。
機械操作などの手順は、イラストや写真付きで作業ごとに短く区切ると理解しやすくなります。
特に安全に関わる掲示物や標識類は、日本語と母国語を併記する形で整備するのが理想です。

また、指示をしたりコミュニケーションを取ったりする際には「やさしい日本語」を意識してみましょう。

やさしい日本語は、次のような外国人にとってわかりやすく工夫された日本語を指します。

  • シンプルな文法を使う
  • 簡単な単語に言い換える
  • 短い文章で伝える

やさしい日本語については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
やさしい日本語とは?例文や生まれた経緯などを紹介

指示のルールを明文化する

"指示をするときは「何を・いつまでに・どのレベルで」をきちんと伝えること"を職場のコミュニケーションルールとして明文化しましょう。

外国人に限らず、指示の基準を会社全体で言語化しておくことは、ミスや行き違いを防ぐことにつながります。

教育担当者を明確にする

「困ったらこの人に聞く」という担当者を決めます。
実務を教える担当者とは別に、生活面や悩みを相談できるような、カウンセラーのような役割の担当者もいるとより良いでしょう。

仕事の話だけではなく、積極的に日本語でたわいもない話をふってみましょう。
意味が理解できなくても、「気にかけてくれる人だな」「一緒にいると楽しいな」と感じると、それが仕事への意欲につながります。

定期的な面談とメンタルケアを行う

月1回程度、短時間でも良いので1対1の個別面談を実施しましょう。

「生活で困っていることはない?」「体調は大丈夫?」など、業務以外のことにも触れることで、外国人従業員が抱える孤独感や不安を察知しやすくなります。

建設業など社外での仕事が中心の業種では、現場への直行直帰ばかりではなく、月に1度は外国人従業員全員が会社に集まる機会を作っているという会社もあります。
軽食を取りながら、社長や先輩と仕事の話をしたり週末の過ごし方などを話し合ったりし、外国人従業員を孤立させない工夫をしています。

生活面のフォロー体制を整える

役所の手続きや通院、住居の問題など、生活面での不安を取り除くサポートも行いましょう。
プライベートの安定は仕事のパフォーマンスに直結します。

JACの外国人向け生活支援サービス

JACでは、建設分野の1号特定技能外国人向けに、病院探しや受診時の通訳を行う「医療通訳サポート」や日常生活のトラブルに対応する「生活トラブルサポート」を提供していますので、こちらもぜひご活用ください。
医療通訳サポート
生活トラブルサポート

日本人スタッフへの異文化理解の機会を設ける

外国人が働きにくいと感じる原因の一つに、文化や宗教、マナーへの理解不足があります。
無意識の言動が、相手に不快感を与えてしまうケースもあります。

そのため、外国人従業員の出身国について、日本人スタッフが基礎知識を持っておくことも重要です。

JACの日本人従業員向け講座

JACでは、特定技能外国人を雇用する企業様の日本人従業員向けに「外国人共生講座」を開催しています。
さまざまな国や宗教の文化について学びを深め、日本人と外国人従業員双方にとって働きやすい環境づくりのヒントを考えていきます。
外国人共生講座

また、こちらの記事ではインドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ネパール、タイの国民性について解説していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
インドネシアの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
フィリピンの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ベトナムの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ミャンマーの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
ネパールの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!
タイの国民性とは?性格やコミュニケーションのコツを紹介!

外国人が働きやすい環境を整える企業側のメリット

職場環境の整備は単なる「外国人への配慮」ではなく、経営面でも大きなメリットをもたらす投資になります。
環境整備によって得られる企業側のメリットを紹介します。

定着率が向上して採用コストが削減できる

採用した人材が長く働いてくれることで、一人あたりの採用単価を抑えられます。

外国人の採用には求人・紹介手数料・在留資格の手続きなど、日本人採用と比べてコストがかかるケースも多く、早期離職による損失が特に大きくなりやすいです。

教育負担が軽減して生産性が向上する

マニュアルや体制が整うことで、教育にかかる負担を減らせます。
外国人従業員が主体的に動けるようになれば、現場全体の生産性が大きく向上します。

日本人従業員の満足度も向上する

「誰にでもわかりやすい指示」や「マニュアル化」は、外国人だけでなく、日本人や新卒社員にとっても働きやすい環境をつくります。
業務が明確になることで、コミュニケーションがスムーズになり、組織全体の風通しも良くなります。

外国人とのコミュニケーションを円滑に進めるためにはコツがあります。
以下のコラムを参考にしてください。
外国人労働者と円滑なコミュニケーションを取るための対策は?

まとめ:外国人が働きやすい環境を作ることには大きなメリットがある

外国人が働きやすい職場環境とは、業務指示が可視化できている、相談しやすい雰囲気がある、宗教や文化への理解があるような環境です。
曖昧な指示や、宗教・文化への理解がない指導は、孤立感を生み、ミスや早期離職につながる可能性があります。

外国人従業員に長く安心して働いてもらうためにも、多言語マニュアルの整備や定期面談によるメンタルケアなどを行い、働きやすい環境を整えていきましょう。

外国人にとって働きやすい職場環境は、日本人にとって働きやすい職場でもあります。
職場全体の生産性向上や採用コストの削減など、企業側にもメリットをもたらします。

外国人従業員を、異なる背景を持つ仲間として尊重し、互いに理解を深めながら働ける環境づくりを進めていきましょう。

建設業界で特定技能外国人の受入れをお考えの企業様は、JACにお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

加納 素子

(一社)建設技能人材機構(JAC)

調査研究部 主任 / 管理部 / 広報部

加納 素子

(かのう もとこ)

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愛知県出身。
広報・調査研究業務を担当し、SNSの中の人。
SNSでは、日本を好きになってほしい、日本から世界へ建設の魅力を伝えたい、世界から選ばれる日本の建設業でありつづけるためにという思いをもって日々更新中。
また、アジア諸国における技能評価試験の実施可能性などの調査業務に従事し、各国の現地機関とのヒアリングを行っている。

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